2度の引退を経て再び代表へ。Wリーグ・吉田亜沙美が伝えたい「続けること」の意味「体が壊れるまで現役で競技を」
引退→復帰後に代表選出「諦めなくてよかった」
――吉田選手にとって、バスケットボールの魅力はどんなところですか? 吉田:仲間とつながれるところです。私自身、大好きなバスケットボールを通じていろいろな形で仲間と出会えてつながることができました。私の性格上、バスケットボールをやっていなかったら、誰かとこんなに深く話すことはなかったと思います。一つのボールを仲間と守って、オフェンスの時には仲間とともに決め切るので、本当に仲間の存在が大きいスポーツだと思っています。 ――バスケットボールも、他の競技同様、高校を卒業後に女子選手の競技登録者数が減少してしまうというデータがあります。「KeepPlayingプロジェクト」の活動についてはどのような印象がありますか? 吉田:Wリーグの選手として、一人のバスケット選手として、多くの選手たちに競技を続けていってもらいたいという思いがありますし、すごく素敵なプロジェクトだなと思っています。もちろん個人の事情があると思うのですが、諦めてほしくないし、後悔してほしくないという思いがあります。私自身、引退してからまた復帰して、諦めずにプレーして日本代表にも選ばれたので、「諦めなくてよかった」という思いがすごくあるんです。だからこそ、このプロジェクトを一人でも多くの人に知ってもらって、「続けたい」と思ってもらえれば嬉しいですね。 ――吉田選手は高校生から代表入りされて、Wリーグでも多くのタイトル取ってこられましたが、2019年と2021年に引退を決断されています。当時の転機とご自身の思いについて、改めて教えていただけますか? 吉田:一番最初に引退したときはJX-ENEOSサンフラワーズ(現ENEOSサンフラワーズ)に所属していたのですが、勝ち続けなければいけないチームで、優勝するのが当たり前と思われている中でバスケットを続けることに、気持ちの面で疲れてしまった部分がありました。肉体的にはまだできたと思いますが、なかなか気持ちの部分でついていかなかったんです。それと、リオ五輪に出場した時に夢だったオリンピックでベスト8まで行って、「次の目標は東京五輪」というふうに考えられなかったので、引退を決めました。