【お悩み】英語が苦手な息子…でも「塾はやだ」 ヤキモキする親に、ビリギャルからのアドバイス
教科の苦手意識は「思い込み」
英語に限らず、教科の苦手意識というのは「思い込み」です。私も数学がめちゃくちゃ苦手だったけど、それはひとえにトレーニングが不足していたから。本人が「できるようになりたい」という思いを持って練習すれば、ちゃんとできるようになるんです。 英語嫌いな子にありがちなのは、自己主張とか失敗することを恥ずかしいと感じていること。でも、言語は失敗から学ぶしかないものです。イギリス旅行は失敗のための大きなチャンスで、とてもよかったと思うのですが、重要なのは現地でどう過ごしたかということですよね。カフェでオーダーが通じたとか通じなかったとか、そういう小さなことがやる気につながったりするのですが、あちらでの時間の過ごし方はどうだったのでしょう。 ほとんどすべての親御さんに共通する「親が前のめりになりすぎ問題」が、今回も発生しているかもしれません。子どもにあれこれ言いたい気持ちをグッと抑えて、自分がロールモデルになるよう心がけてほしいな。 もし、また息子さんと外国に行くことがあれば、ぜひお母さんが英語を勉強して、現地の人とのコミュニケーションにチャレンジする姿を彼に見せてあげてください。すぐにできることとして、オンライン英会話を始めてみるのもいいと思います。「来年のイギリス旅行ではお母さんがバリバリ話すから、見てて!!」と挑戦している背中を見せれば、息子さんは何か感じるはず。口で言うだけだと、子どもはたいてい「わかったよ、うるせーな」とか思うだけで全然刺さってない。それよりも実は、背中で見せるほうが効果的だし、やってるほうも楽しいし、私だったらそうするな。 子育てに悩むすべてのお母さんに伝えたいのは、まず自分の人生を生きてほしいということです。お母さんは楽しんでいますか? 幸せですか? 子どもはしっかりその背中を見ていますよ。
プロフィール
小林さやか(こばやし・さやか)/1988年、名古屋市生まれ。中学・高校でビリを経験。素行不良で何度も停学になり、高校2年生のときの学力は小学4年生のレベルで偏差値は30弱だったが、塾講師の坪田信貴氏との出会いを機に大学受験を目指す。その結果、1年半で偏差値を40上げて慶應義塾大学に現役合格を果たした。その経緯を描いた坪田氏の著書『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』は120万部を超えるミリオンセラーとなり、映画化もされた。大学卒業後はウェディングプランナーの仕事に従事した後、「ビリギャル」本人として講演や執筆活動を行う。2021年、聖心女子大学大学院文学研究科人間科学専攻教育研究領域博士前期課程修了。24年5月に米国コロンビア大学教育大学院で認知科学の修士号を取得。近著に『ビリギャルが、またビリになった日 ─勉強が大嫌いだった私が、34歳で米国名門大学院に行くまで─』(講談社)がある。
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