【香港ヴァーズ】3歳牝馬ステレンボッシュが3着に健闘、プラダリアは11着 英伏兵・ジアヴェロットが快勝
日本だけでなく、世界のホースマンが注目する冬の恒例行事となった香港国際競走。 今年は開催されたGⅠレース中、3戦で地元香港の馬が優勝を果たし、世界中に香港競馬のレベルの高さを知らしめる形になった。 【ガチ予想】2歳牝馬チャンピオン決定戦「阪神JF」をガチ予想!キャプテン渡辺の自腹で目指せ100万円!
■香港ヴァーズ(G1)
芝2,400m(右)で行われた香港ヴァーズ、過去5年中日本馬が3勝を挙げるなど得意としているレースで今年は絶対的な本命馬がいないという混戦模様。 日本で販売された馬券の単勝オッズを見ると、1番人気に支持されたステレンボッシュをはじめ出走13頭中4頭が単勝オッズ10倍を切るという状況だった。 レースが始まると、積極的に動いて行ったのはプラダリアだった。 地元香港のラシティブランシュ、カーインジェネレーションと3頭並ぶ形でスタンド前を通過して行ったが、1コーナーを回るころには1馬身ほどの差を付けてハナに。 キャリアを通じて初めての逃げを打つという積極策を取り、1000mの通過タイムは1分3秒台というスローな流れに落としていく。 一方、ステレンボッシュはと言うと最後方という極端な位置に。桜花賞で見せたあの切れ味鋭い末脚のイメージがあったのか、鞍上のジョアン・モレイラは後方で脚をじっくりと溜める戦法を取った。 先頭のプラダリアからシンガリのステレンボッシュまで10馬身圏内という馬群。 流れの遅さを考えてか、残り700mを切ったところでモレイラが仕掛け始め、最後方にいたステレンボッシュはコーナーを勢いよく回ってくると、直線に向かう時には5番手にまで押し上げた。 マクリの形を取ったステレンボッシュは最後の直線で、逃げるプラダリアをアイルランドの実力馬ルクセンブルクと並走する形で追いかけ、残り200mのところで先頭に躍り出た。 このままルクセンブルクを競り落としにかかったステレンボッシュだったが… 早仕掛けが災いしたか、ここで脚がいっぱいに。 その隙をついてインから伸びてきたのがイギリスの伏兵、ジアヴェロット。オイシン・マーフィーの右鞭に応えるように伸びていくと、そのまま後続を突き放して快勝。 なんとか2着を死守したかったステレンボッシュだったが、ゴール直前でドバイオナーに差されてしまい3着に。直線で失速したプラダリアは11着に終わった。 レース後、モレイラは「ラチ沿いの位置を取れなかったが、とてもいい馬です」とステレンボッシュの健闘を褒めたたえた。 勝てなかったとはいえ、やや強引なレースになってもくじけずに伸びたのは立派の一言。来年以降のレースが楽しみになる、希望となった一戦だった。 ■文/福嶌弘