Media Briefing[日本版]: 📺 Cookie 亡きあとのデジタル広告、「主役」はCTVとストリーミングになるか👀
今さら言うまでもないが、CTVやストリーミングサービスをはじめとする動画配信領域は、デジタル広告において注目の的であり続けている。 5000円以上のCPMとなる広告付きプライムビデオの動向にエージェンシーも広告主も目が離せない。ウォルマートによるスマートテレビメーカーのVizioの買収も、小売データと動画配信データの融合によるリテールメディアの大幅な強化のためだと目され、大いに話題となった。 ここにCookie終焉という要素、ブラウザ上でのターゲティングや効果測定の消滅などをトッピングしてみよう。もはや「注目」どころの騒ぎではない。
すでに始まっている動画視聴データの奪い合い
サードパーティCookieがなくなれば、ターゲティング以上の影響を受ける可能性があるのは測定だろう。特にアトリビューションは大きな課題に直面することが明白だ。 プライバシーサンドボックスで代替策が開発され、アドテクベンダーが採用すれば、アトリビューションの問題は解決するということになっているが、それまでただ口を開けて待っているわけにもいかない。今や誰もがファーストパーティデータをかき集めている。動画視聴データもまさにそうだ。 消費者調査会社Disqoは前述のVizioと提携し、メディアを跨いだ消費者の実態把握のために、2300万台のオプトイン済Vizio製TVから得られた自動コンテンツ認識(ACR)視聴データを活用する予定だ。ACRデータをブランドリフト測定などと統合することで、広告主が広告キャンペーンのクロスメディアおよびフルチャネル的効果を測定する一助になるという。 DisqoのCEOアーメン・アジェミアン氏は、「どの個人が、どこで、どんな広告に触れているのか把握でき、ファネル行動がどう変化するのか理解できる視聴データは、マーケターとってとりわけ価値があると考えている」と話す。 Vizioのデータライセンシング/ストラテジー部門VPケン・ノークロス氏も「我々はオーディエンスに対する効果をより正確に測定できるよう尽力し、パートナーにとっての障壁を取り除く。ACRデータの幅広さと深さは(中略)広告事業からCXに至るまで多くの場面で役立つ」とその価値を強調する。認知度や好感度、購入意図といったブランドメトリクスと、検索やサイトアクセス、ショッピングなどのパフォーマンス成果のギャップを埋める存在になるというわけだ。