40代でライターを目指すのは遅い?文章のプロが教える「書く仕事」の魅力
Q:書くのが面倒になったり、行き詰まったりしたとき、どのような方法で乗り切りますか?
A:話を聞いたときや体験したときの状況や気持ちを思い出してみる 「自分のブログだったら、面倒で書きたくないときは書かなくていいと思います。多くの文章が世の中にあふれている時代、面倒だな…と思って書いている文章は読まれなくてもいい、と私は思っているからです。ただ、仕事として書かなくてはならないときは別。私の場合は、取材で録音した音声を聞き直すことにしています。インタビュー音源を聞くと、その時の気持ちがよみがえってきて、すぐにでも文章に書き起こしたい気持ちになれます」。 もしも音源がない場合は、そのときの状況をできるだけ思い出すことが、書く気持ちを奮い立たせる原動力になりそうです。
Q:今、48歳です。この年齢でライターを目指すのはもう遅いでしょうか?
A:今までの経験はすべて武器になる。今からでも遅いことはありません 「ライターというのはすべての経験がプラスにしか働かない職業です。死別や離婚、病気など一般的にネガティブにとられる経験であっても、それらを全部含めて『書く仕事』に役立ちます。48歳なら、それまで積み重ねてきた経験がたくさんあり、それらはすべて武器になります。つまりライター業は、年を取っていることがディスアドバンテージ(不利)にならない仕事です。 業界ではいつでも『書けるライター』を探しています。有名メディアでもライターを公募していて、主婦の方々をフィーチャーするメディアでは、これまで主婦だった人こそ重宝されています。ライターになりたい質問者さんに今、いちばんしてほしいことは、ライターになるための計画を立てることと、書きたいことを宣言すること。ぜひ48年間生きてきた経験をライターの仕事に生かしてみてください」
すべての文章はラブレター。書くことで人生が豊かになる
インタビューであれば取材相手を、レストラン取材であればそのレストランを推す文章を読者に紹介するつもりで書く。そのすべてはラブレターでもある、と話すさとゆみさん。ライターの仕事は、自分の「好き」を伝えて、「好き」を広げるすてきな作業で、そこに魅力があると語ります。 「書くとき、私は自分以外の人や物事をいっぱい観察します。これって自分以外のなにか知ろうとする行為。そうして(取材対象を)理解すると、だんだんそれを好きになっていくんです。だからライターの仕事をしていると、びっくりするほど世の中、好きな人やものだらけになる。これがこの仕事のすてきなところ。仕事を通して、自分が住んでいる世界を愛せるようになると幸せだと思うし、これからも好きな世界に住めたら幸せだなぁと思って、日々仕事に取り組んでいます」 そして自分が書いた文章で、読者の気持ちや世の中が1ミリでも動き、豊かに変わっていったらうれしい。 「(自分以外のことを知る)文章を書く仕事は、いいことがたくさんある。人生を豊かにすることに繋がっている。今後も文章を書くことを楽しんでもらえたらうれしいと感じています」 自分の言葉で書く。そしてその言葉が伝わることで動く人や世界がある。さとゆみさんが惜しみなく教えてくれた生きたテクニックは、明日からの生活を豊かにしてくれるヒントがいっぱいありそうです。今後の「書くこと」に活用してみてくださいね。
ESSEonline編集部