【陸上】ハードラー泉谷駿介、パリ五輪へ「実力出し切りたい」 日本勢初メダル期待も自然体強調
陸上男子110メートル障害の泉谷駿介(24=住友電工)が20日、都内でナイキ主催の取材会に出席し、すでに内定しているパリオリンピック(五輪)へ「もちろんメダルはとりたいが、そこばかりに目を向けすぎず、自分の実力を出し切りたい」と冷静に見据えた。 泉谷は昨年6月に日本新記録となる13秒04をマーク。同8月の世界選手権では同種目日本勢過去最高の5位入賞を果たした。世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)も経験し「自分でもここまでいける。張り合える」と自信を深めた。 今季にかけては、スパイクをナイキの「マックスフライ2」に新調。「革命的で普段は感じられない感覚がある」と手応え十分の新たな相棒を手にした。普段の練習では同社の「ペガサス41」と使い分けつつ、「スパイク任せにならないように、自分の走りを高めていきたい」と安定感の向上にも注力。ウエートトレーニングの量も増やし、体の厚みも増した。 その積み重ねもあり、4月のDLアモイ大会では13秒17を記録。シーズン初戦ながら五輪の参加標準記録(13秒27)を突破し、2大会連続の五輪代表入りを決めた。今季はDL3試合に出場し、うち2試合で表彰台入り。「海外のトップ選手に圧倒されることがなくなった。世界を転戦する中で慣れてきた」と経験値も高まっている。 21年東京五輪では日本勢で57年ぶりに準決勝に進んだものの、0秒03差で決勝進出を逃した。今夏の五輪では日本人初の決勝進出やメダル獲得の期待がかかるが、泉谷自身はあくまで力を出し切ることに重きを置く。 「目指すのは3番以内。メダルをとりたい。その上で今季の成績を安定させたい。トップの選手と走って、自分の力を出し切れるようにしたい」 自然体でパリへ乗り込み、3年前からの成長を示す。【藤塚大輔】 ◆男子110メートル障害のパリ五輪への道 出場枠は最大「3」で、すでに泉谷が内定。6月30日までに参加標準記録(13秒27)を突破した上で同27日開幕の日本選手権(新潟・デンカビッグスワンスタジアム)で優勝すれば、2枠目に内定する。2位以下でも、同選手権の成績や6月末時点の世界ランキング次第で代表入り。すでに村竹ラシッド、野本周成が参加標準を突破している。同種目は29日に予選、準決勝、30日に決勝が行われる。