わがマチから“弁護士が消える”地元で相続や離婚の相談ができない…北海道で広がる“司法の砦”崩壊の現実 後任者が見つからず法律事務所が閉鎖
旭川弁護士会 大箸信之会長 「“もう辞めます”と言ってしまわれて、居なくなってしまった場合、弁護士会としては、もう如何ともしがたい」 「地方の良さを発信していくっていう、そこが、なかなかどうやったら伝わるかということは悩ましいところです」 “司法の空白”を埋めるため、旭川弁護士会の管内には、6か所の公設事務所があります。しかし、大きな問題があります。 来年度以降、4か所の公設事務所で、後任が見つかっていません。赴任してくれる弁護士がいないのです。
留萌ひまわり基金法律事務所 松嶋佳史弁護士 「もともと、免許は持っていましたが“ペーパードライバー”でした」 弁護士が極端に少ない“司法過疎”のマチで、空白を埋めようと、地域を走り回る弁護士がいます。 留萌ひまわり基金法律事務所 松嶋佳史弁護士 「とりあえず、ちょっとお入りください」 相談者 「いいんですか…弟がもう、うちに帰れないんですよ。(家を)解体したいと思っているんですよね」 高齢化が進む地域で、弁護士を必要とする人たちは、少なくないのです。 土地や遺産の相続、建物の解体手続きなど、司法過疎のマチで、異色の経歴を持つ一人の弁護士が奮闘を続けていました。 北海道の日本海沿岸に位置する留萌市。ニシン漁や数の子の生産が盛んな漁業のマチです。
留萌ひまわり基金法律事務所 松嶋佳史弁護士 「もしもし、お電話をかわりました、松嶋です」 留萌には、2つの法律事務所があります。いずれも日弁連が設立した事務所で、来年度以降の“後任”探しに苦労しています。 『留萌ひまわり基金法律事務所』の松嶋佳史弁護士は、異色の経歴を持っています。 岩手県の出身で、高校中退後に調理師として働き、2018年、司法試験に合格。弁護士として活動を始めました。 地方の“司法過疎”問題に関心を持ったのは、ロースクールの授業がきっかけでした。 留萌ひまわり基金法律事務所 松嶋佳史弁護士 「イメージとしては“町医者”って言われるような感じで、ちょっとした相談ですね。例えば、冬の間は隣の人が(自分の敷地に)、雪かきしてきて困っているとか…」
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