トランプ氏が目指す不法移民大量送還、ドミニカ共和国に見る現実
ドミニカのアルバレス外相は、経済が崩壊したハイチからの移民流入が学校や病院、予算に負担をかけていると主張。例えば、国内の病院における分娩室のほぼ40%はハイチ人によって占められているという。
人権団体や国際社会からの非難にもかかわらず、アビナデル大統領の大量強制送還は支持を集め、今年5月の再選につながった。
強制送還は政治的な受けこそ良いかもしれないが、安価なハイチ人労働力に依存している企業、特に経済の約20%を占める建設および農業部門には激震が走っている。
バナナ生産者業界団体で幹部を務めるマーティン・ペーニャ氏によると、強制送還で人手が足りなくなり、輸出の期限に間に合わなかった農家も出ている。米国と同様にドミニカも農業部門の仕事は外国人依存度が高く、推定3万2000人に上るバナナ農園労働者の約75%がハイチ人だという。
「ここでの現実は、ドミニカ人の農業労働者は見つけられないということだ」と同氏は語った。
原題:Trump’s Mass Deportation Pledges Are Already a Caribbean Reality(抜粋)
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Jim Wyss