草なぎ剛が〈冷酷な高利貸し〉に。「今まで舞台で演じたことのないような役」『ヴェニスの商人』初のシェイクスピア作品に主演として挑戦!
草なぎ剛が主演を務める舞台『ヴェニスの商人』が、12月6日に開幕、東京・日本青年館ホールで上演中だ。時代を超えて愛される作品を世に送り出してきた演劇史の巨人、ウィリアム・シェイクスピアの作品の中でも、深い人物描写と、痛快な展開で圧倒的な人気を誇る本作。 【写真】舞台に膝をつき、全身で怒りを… この最高傑作を、第21回読売演劇大賞・最優秀演出家賞に輝いた森新太郎が演出することにも注目が集まった。草なぎはシェイクスピア作品初挑戦となる。 ほかの出演者には野村周平、佐久間由衣、大鶴佐助、長井短、華優希、小澤竜心、忍成修吾ら。草なぎは高利貸しのユダヤ人・シャイロックを、高潔な商人・アントーニオ役を忍成が、アントーニオの親友・バサーニオを野村が、バサーニオが思いを寄せる富豪の美女・ポーシャを佐久間が演じている。 舞台装置はシンプルで、舞台の一番奥に長椅子が作りつけられ、幕開けでは出演者が出てきて無言で一列に腰掛け、それぞれが前に出て語り始める。
ストーリーは、ポーシャに思いを寄せるバサーニオは求婚したいが金がなく、アントーニオに頼るのだが、たまたまアントーニオの財産は船の上。そのためにアントーニオがシャイロックに一時的に金を借りる…という展開だ。アントーニオと確執のあるシャイロックは「貸した金を返せなかったら、あんたの体からきっかり1ポンド、切り取らせてもらう」との条件を提示。バサーニオは友の体を案じて止めるが、アントーニオは承諾、ところが、彼の財産を積んだ船が座礁するという悲劇に見舞われる。 シェイクスピアの「長い台詞」を、それぞれが熱く語りながらオーバーアクションでそ演じていく様に引き込まれるが、主演である草なぎは、なかなか登場しない。バサーニオとアントーニオ、ポーシャなど、主要な登場人物がストーリーを展開した後に、いよいよ長椅子から立ち上がって前に出てくる。全身から「不機嫌」を漂わせながら…。 白髪交じりの草なぎは、クラシカルなスーツに身を包み、ときに顔をゆがめながら「冷徹で皮肉屋の高利貸し」シャイロックを熱演。バラエティやCMで見せる穏やかで温かい人物像とは全く違う「狂気」をまとい観客を魅了した。一方で、愛する娘が異教徒と駆け落ちしたと知る場面では、父親としての悲しみや怒りを見事に表現してみせた。 忍成は、友人には善良だが、シャイロックを軽蔑するアントーニオを品の良いスーツ姿で淡々と表現。野村は、印象的な紫の上下のスーツ姿で、長い黒髪で明るくバサーニオを好演した。佐久間は、腰回りに特徴のあるロングのワンピースでそのスタイルの良さ、立ち姿の美しさが舞台で際立っていた。美しくて聡明な令嬢・ポーシャが、次々やってくる求婚者の男たちをあしらうくだりは笑いを誘う。一方で、ポーシャにかしずく侍女・ネリッサを演じる長井は相変わらずの個性が爆発。2人のやりとりが見ていて楽しい。
【関連記事】
- 草なぎ剛×金澤翔子「翔子ちゃんの手紙を今でも大切に持ってるよ」「草なぎさんはお父さんに似てます。大好きです!」【2024年上半期BEST】
- 草なぎ剛さん「アテント 夜1枚安心シリーズ」新CMに出演。介護する人・受ける人、一人二役を演じ大変だった事とは?
- 稲垣吾郎「<新しい地図>を結成して7年、僕自身のあり方は変わらない。日常では70%がちょうどいい、ゆるさが心と体の健やかさに繋がっている」
- 稲垣吾郎・草なぎ剛・香取慎吾「新しい地図」、3人揃った2025カレンダーを発売。毎月更新の〈Moving Photo〉も
- 香取慎吾3枚目のソロアルバム『Circus Funk』を発表。12月に東京・代々木第一体育館で2日間のアリーナフェス開催