“学力テスト”市町村別の評価を石川県が公表中止に 教育に競争はダメ? 「勉強で頑張った子を褒めてあげられる場がもう学校にない」
これにフリーアナウンサーの笠井信輔は「おかしい」と反応。「税金を使っているから、調査結果は出さないとダメ。しかし、それを公表するかは別次元の話だ。内部で情報共有して、教師や教育委員会で話し合うのはいいが、公表して競わせることにどういう意味があるのか」と疑問を呈した。
■教育に競争はダメ?「勉強ができる子は褒められない」
岐阜県で塾を経営するサトウ氏は、塾内に子どもの点数と順位を張り出すなど、「勉強に競争は必要」と考える立場だ。「子どもたちは順位付けをゲーム感覚で楽しんでいる。指導者側も順位が見えていると、“化学の計算問題は今まで避けたけど、これ取れてたら何番に上がれてたよね”と具体的な指導につなげやすい。自分の塾でも一時、上位成績者のみに限って公表したが、子どもたちのモチベーションは下がってしまった」と話す。 パブリックテクノロジーズ取締役CTOのTehu氏は、小学校高学年で毎週全国テストをする“受験戦争”を経験した反面、中学高校では「順位が一切出ない」環境に身を置いたという。「互いに何位か知らない中でも、個性を伸ばせた。勉強はそれなりにやるが、勉強以外でやれることもあると、周りも思っていた。自分で環境を選べることは大切だ」と振り返る。
タレントの山崎怜奈は「大人の社会のほうがシビアだ」と語る。「勉強は数字で結果が出るからわかりやすい。微妙なさじ加減で、評価が変わる方が残酷だ。競争に慣れていないで、それをどう背負うのか。点数が出て努力しがいのある、フェアな競争を経験しておいたほうがいい」。 ハヤカワ五味氏は「社会に出ると、点数ではない“謎の順位”が付くため、学生の時期はまだマシだ」と指摘する。「点数による評価から、点数ではない評価まで、学生のうちに味わっておいたほうがいい。点数の評価だけに縛られると、社会出てから『なんで評価されないんだろう』となる」。 一方で、テレビ朝日の田中萌アナウンサーは、「ここ(スタジオ)にいる皆は、競争を勝ち抜いて生存してきた人たちではないか。もし評価でショックを受けて、立ち直れなくなる人もいると思うと、競争ではない伸ばし方もないのか」と問いかけた。