館山で「男の料理教室」 ホットケーキ焼き、コーヒーをドリップ 「面倒だ」の本音も(千葉県)
「人生100年時代」といわれる現代、老後を豊かに過ごすきっかけにしてもらおうと、男性を対象に簡単な調理から片付けまでを実践する、「男の料理教室」が30日、市コミュニティセンターで開かれた。市内外から10人が参加し、ホットケーキの作り方とコーヒーのおいしい入れ方を学んだ。 市中央公民館が主催し、市社会福祉協議会が協力した。市社福協などによると、男性の公民館講座や集いの場への参加は女性に比べると少なく、家に閉じこもりがちになる傾向があるという。家と職場以外の行きつけの場所や、仲間をつくることなどにもつなげてほしいといった目的も併せて行われた。 この日は、市職員で管理栄養士の渡邊侑子さんが「失敗しない!絶品ホットケーキ」の作り方を、サルビアコーヒーの鈴木将仁さんがドリップパックを使ったコーヒーの入れ方を伝授した。参加者は、「基本を習いたい」「妻に作ってあげたい」「最近家事を始めた」と参加理由はさまざまだったが、ほとんどが初心者の中で、調理に取り掛かった。 ホットケーキ作りでは、2~3人のグループに分かれ、卵と牛乳に、小麦粉や砂糖などが混ざったミックス粉を混ぜる作業から始めた。渡邊さんは「弱火で20分ほどかけてじっくり焼くことが大事。怒りっぽい人は失敗しやすいですよ。怒りっぽい人はいませんか」などとユーモアを交えながら調理のこつを解説。直径25センチほどのホットケーキを裏返す場面では、いったん皿に移したホットケーキにフライパンでふたをするようにかぶせ、勢いよく逆さまに。皿を外すと、きれいな焼き色が確認でき、思わず「おー」といった声が出たり、拍手したりとグループ内で楽しんでいた。 鈴木さんが教える、ドリップパックによるコーヒーの入れ方では、自宅で復習しようと動画や写真を撮っている熱心な参加者も見られた。 菅野雅彦さん(70)=館山市安布里=は「焼き色がきれいで、すごくおいしくできた。油を引かずに焼くなんて、やってみて初めて知った。家では妻がぱぱっと出してくれるけど、一生懸命やってくれているんだな」としみじみ。大野正裕さん(72)=同市宮城=は「今まで自分で入れていたコーヒーと味が全く違う。家でまたやってみたいが、ホットケーキは少し面倒だ」と本音を漏らした。 次回の男の料理教室は30日。「料理の基本、みそ汁づくり」を予定している。15日まで申し込みを受け付けている。問い合わせや申し込みは、市中央公民館(0470・23・3111)へ。 (安井咲子)