兵庫の鴨宮祥行騎手 レッツ豪、来年1月挑戦へ ワーホリでビザ取得「いいものを吸収できれば」
12月5日に行われる兵庫競馬のグランプリ・園田金盃(1870メートル)で、兵庫優駿馬マルカイグアス(牡3、橋本)に騎乗するのが、デビュー13年目の鴨宮祥行(かもみや・よしき)騎手(31=栗林)。今年は自身初の年間100勝を達成するなど飛躍の1年となり、来年1月からオーストラリアに約4カ月間遠征することを発表。今回の「ケイバラプソディー ~楽しい競馬~」では、新たな挑戦を目前に控えた同騎手に胸の内を聞いた。 ◇ ◇ ◇ 23年は96勝で100勝まであと1歩ながら、自身初の兵庫リーディング5位に入って頭角を現してきた鴨宮騎手。今年は「100勝を意識してきた」と話す。 1月からコンスタントに10勝前後の勝ち星を積み重ねてきたが、転機となったのは7月4日。兵庫競馬におけるダービー、兵庫優駿をマルカイグアスで制した。向正面から周囲の度肝を抜く早めのスパートで8馬身差の圧勝。大きな勲章を手に入れた。 さらに快進撃は続く。翌8月には月間20勝を挙げると、10月3日、ついに目標にしてきた年間100勝を達成した。「ダービー(兵庫優駿)を優勝したことで、失礼のないよう、恥じないように意識して、自信を持って乗れるようになりました」と胸を張った。 その時、もうひとつの夢が動きだした。海外での騎乗だった。「中央の人とかが海外で乗っているニュースを見るとうらやましいなと思うし、自分も挑戦してみたいと思っていた。(海外に)行くなら区切りのいい100勝をしたときというのがありました。乗れなくなってからでは遅いですし、乗れるときに行きたいなと思っていました」。 話はとんとん拍子で進む。関係者の紹介でオーストラリア、メルボルン地区への遠征が決まった。30歳まで取得可能なワーキングホリデーでビザを取得。11月2日に31歳を迎えた鴨宮騎手にとっては期限ギリギリだった。 「オーストラリアの競馬は正直分かりませんが、楽しみです。(JRAの)富田暁君や、坂井瑠星君などから話を聞いたりしました。1つのレースに乗るのに車で何時間もかけて乗りに行くと聞きますし、調教をとっても同じやり方ではないと思います。向こうは芝のレースしかないですし、今までのやり方ではオーストラリアでは通用しないかもしれない。武者修行という訳ではないですけど、いいものを吸収できればなと思います。周りの方々も快く応援してくださって感謝しています」 いずれは全国で騎乗できる騎手に、と目標を置く鴨宮騎手。帰国したときにはどのような姿を見せてくれるだろうか。 ◆鴨宮祥行(かもみや・よしき) 1993年(平5)11月2日、大阪府生まれ。栗林徹治厩舎(西脇)所属。12年デビュー。同年4月19日に初勝利。地方通算9401戦745勝(2日現在)。重賞は今年の兵庫優駿など9勝。174センチ、52キロ。 (ニッカンスポーツ・コム/競馬コラム「ケイバ・ラプソディー~楽しい競馬~」)