スズキ eチョイノリ開発者に直撃「市販化の可能性は? 電動アシスト自転車のユニットを使用した理由は? 」
フレームや外装は、かつてのチョイノリの再現
2003年2月、5万9800円という破格の安さで発売されたchoinori(以下、チョイノリ)。 同車は通勤や通学、買い物など近距離の移動に機能を絞り、部品点数を極力少なく簡素化して打ち出した価格と、軽量化を追求した39kgの乾燥重量で注目を集めた新コンセプトの原付きスクーターだった。 【画像16点】伝説の激安原付が電動で復活!? スズキ eチョイノリの特徴を写真で解説 そして、2023年10月26日~11月5日に開催された「ジャパンモビリティショー2023」スズキブースで大いに注目を集めたのが、そのチョイノリのコンセプトを受け継いだ電動スクーター、e-choinori(以下、eチョイノリ)だ。車名はもちろん、フォルムまでも再現されたかのようなeチョイノリだが、まだコンセプトモデルの段階だという。 気になる市販化の可能性、車両の構造・性能に関して、同車の開発関係者であるスズキ・二輪事業本部・二輪営業・商品部二輪営業業務グループの高橋佳祐さん、同本部・二輪第一技術部・技術企画グループの津島寿夫さんに話をうかがった。
「家庭で共用できる」電動アシスト自転車のバッテリーをそのまま使用するメリット
──eチョイノリは実車公開前から「2003年のチョイノリの再来」と注目を集めましたが、実際にかつてのチョイノリから踏襲された部分はあるんでしょうか? スズキ●eチョイノリはコンセプトモデルなので各部はワンオフでの製作ですが、外観を見ていただければ分かるように、フレームや外装関係はほぼ当時のチョイノリのままです。つまり部分的には昔の型も使える仕様になりますが、もし今後量産化された際、金型などがどうなるかについてはコメントは控えます。 ──eチョイノリのパワーユニットは、パナソニック サイクルテック製電動アシスト自転車のモーターとバッテリーユニットだと聞いていますが、そのまま使用しているのか、あるいは何か手を入れているのでしょうか? スズキ●ユニットの中身は少しいじっていますが、モーター駆動ユニットとバッテリーはアシスト自転車から流用です。実はそれが今回のアピールポイントのひとつで、eチョイノリに搭載しているのはパナソニック サイクルテック製の自転車に付く16Ahの市販バッテリーです。家庭用電源で簡単に充電できますし、例えばお子さんが通学に使う電動アシスト自転車とバッテリーが共用できたら便利だと考えました。16Ahだけでなくパナソニック サイクルテックの8Ahバッテリーも使えます。ただし、各社の電動アシスト自転車でバッテリーの規格や形状が違うので、現状だとパナソニック サイクルテック製にのみ対応ということになりますが。