虎のソナタ 12年ぶりに帰ってきたトラ番・渡辺洋次の目標は「サラメシ」でNHKデビュー!?
ピュ~、ピュ~、ピュ~!! 鳴尾浜にも冷たい強風が吹き荒れた。電話口からも寒さが伝わってくる。2025年、この男がトラ番に帰ってきた。 「選手を待っている間に座っていたベンチが、変わらずに置いてありました。懐かしいですね」 声の主は、1月1日付で文化報道部から運動部に異動になった渡辺洋次だ。2013年以来、12年ぶりの復帰となった。この日は、前日に入寮したばかりの新人たちを取材。「今朝丸くんは手足が長く、筋肉がついてきたらすごい投手になる可能性を秘めていると思います」。ドラフト2位・今朝丸裕喜らタイガースの未来を担う選手たちに熱視線を送っていた。 13年の阪神といえば、和田豊監督の2年目のシーズン。藤浪晋太郎がまだルーキーで、鳥谷敬や西岡剛、福留孝介らがいた。12年も年月が経過すれば、当然メンバーも大きく変わっている。今もタイガースに残っているのは、原口文仁と島本浩也の2人だけ。 「原口と島本は当時、育成選手でしたからね。藤浪もドラフト2位の北條史也も現役を続けていますが、もう阪神にはいません。当時の期待値からすれば、藤浪や北條の方が上だったんでしょうが、今もこうやって1軍で戦力になっている原口と島本はすごいと思いますよ」 渡辺は12年前を振り返りながら、しみじみと語った。 当時は駆け出し記者だった渡辺も現在36歳。「年を取ると寒さに弱くなりますね。20代前半のときは共感できなかった、ミニスカートの女子高生を見た母親の『見てるだけで寒いわ』という言葉が、このトシになるとわかりますもんね」。自分自身の変化もしみじみと感じていた。 現在のトラ番では、ビヤ樽こと還暦の三木建次に次いで2番目の年長となる渡辺。昨年末に行われた運動部の忘年会にも〝飛び入り〟で参加し「みんな年下の人ばかりですが、僕はやることはしっかりやるんで、よろしくお願いします!!」とあいさつしていた。じゃあ、トラ番での抱負を聞いてみようか。 「目標は『サラメシ』に出ることです!!」