「天使の子」ちーちゃんの病気は100万人に1人の難病「KID症候群」 母は”最初は受け止められるか怖かった”
■保湿ケアと目薬が欠かせない 千尋ちゃんは1日2回の全身の保湿ケアに加え、角膜を保護するため1日6回の目薬が欠かせません。また、体温調節ができないため、外出時は身体に保冷剤を巻くようにしています。 いまだに分からないことが多い難病の「魚鱗癬」。 家族は少しでも情報を集めたいと、交流会への参加を決めました。 ■初めて出会った同じ病気の患者と家族 おいしいご飯を食べたり他の子供たちと遊んだりして楽しむ千尋ちゃん。 そして両親は、情報を得るために参加者に話を聞いて回ります。交流会には、千尋ちゃんと同じ「KID症候群」の患者も参加していました。 兵庫県に住む田村桜花さん(23)とその家族です。 田村桜花さんの母親「補聴器付けたら耳だれが出て補聴器も付けられなくって・・・」 桜花さんは、徐々に視力と聴力が低下、今は目がほとんど見えず、耳も聞こえません。 桜花さんの母「いずれきこえなくなる可能性があると聞いていたので、言語の勉強は手話で始めたんですよ。子供の訓練学校に紹介してもらって、まず手話を教えてもらいました。そして見えにくくなったので今は、手話の形を手で触って読み取る『触手話』に切り替えてコミュニケーションをとっています」 お互い「KID症候群」の患者に会うのはこれが初めてでした。 薬の話、コミュニケーションの取り方、千尋ちゃんの両親は、多くの情報を共有しました。 ■偏見とたたかう日々 立ち上げた患者の会 「魚鱗癬の会」を立ち上げた梅本千鶴さんは、息子の遼さんが魚鱗癬です。 いわれのない偏見をなくしたいと奮闘してきました。自身も悩みながら息子を育て、そして多くの家族の声に耳を傾けてきました。 ■『はげ』『赤い』言葉がどれだけこの子を傷つけるんだろう 千尋ちゃんの母親・雛子さんもこれまで誰にも話せなかった胸の内を語ります。 千尋ちゃんの母親 満生雛子さん「生まれて1年くらいたって、最近ようやく夜眠れるようになりました。やっぱり考えたり悩んだり・・・娘は、しょっちゅう周囲から見られたり、『はげ』『赤い』とか言われたりすることがあって。将来この子が分かるようになった時に、その言葉たちがどれだけこの子を傷つけるんだろうっていうことを、やっぱり考えてしまいます」