引退を発表したAJスタイルズ(左)はコーディ・ローデスにたたえられたが…（©WWE）

　WWEの〝フェノメナール〟ことAJスタイルズ（47）が引退発表から一転、まさかの凶行に出た。 【写真】コーディに馬乗りになり、パンチを振り下ろすAJ 　新日本プロレスではIWGPヘビー級王座を獲得するなど活躍後、2016年にWWE入り。最高峰王座を2度手にし、世界最大団体でも大きな足跡を残してきた。5月の仏決戦「バックラッシュ」では、統一WWE王者コーディ・ローデスと名勝負を繰り広げるも惜敗。「キング・オブ・ザ・リング」トーナメントでは、〝毒蛇〟ランディ・オートンと大激闘の末に敗れた。先週はスマックダウンのニック・オールディスGMにコーディへの再挑戦を求めたが、却下されていた。 　そうした中、31日（日本時間1日）のスマックダウン（ニューヨーク州アルバニー）では、スーツ姿のAJがオールディスGMに「今後について発表したいことがある」と申し出た。同GMも了承したが、インタビュアーのカイラ・ブラクストンは「AJが引退を発表するかもしれない」と発言。LAナイトも「うわさが本当なら敬意を払うよ」とAJに告げるなど、一気に引退発表の流れとなった。 　さらにご丁寧にも、このところ距離を置いていた「The　O．C．」の盟友カール・アンダーソン＆ルーク・ギャローズとともにリングイン。別れを惜しむ観客も「AJスタイルズ！」の大チャントだ。マイクを握ったAJは言葉に詰まりながら先週、息子の高校の卒業式に出席したことを明かした。その上で「でもその時、気づいたんだ。こんな機会を何度逃してきたんだろうと。もうフェノメナールなAJスタイルズをやめて、フェノメナールな父親になろうかと思ったんだ」。家庭を優先するため引退すると表明した。 　続けてアンダーソン＆ギャローズと「Too　Sweet」ポーズを決めると、コーディを呼び込んだ。「お前を呼び出したのはバトンを渡すためだ」と、統一王者とがっちり握手してから抱擁。コーディはAJの手を上げたが…AJは振り向きざまにラリアート一発。やはり引退するワケがなく、すべてはAJのワナだったのだ。 　AJはすぐに上着を脱ぎ捨て、コーディを殴って蹴っての暴行。場外で鉄階段に激突させると、アンダーソン＆ギャローズが止めに入ろうとしたレフェリーたちを花道で制止して用意周到だ。AJは鉄柱にコーディの額を打ちつけると、鉄階段の上からスタイルズクラッシュでコーディを場外の床に叩きつけてKOした。卑劣な凶行は、コーディとの再戦へ実力行使に出た格好だ。 　WWEのPLEは「クラッシュ・アット・ザ・キャッスル」（15日、英スコットランド・グラスゴー）、「マネー・イン・ザ・バンク」（7月6日、カナダ・トロント）と続くが、2人の再戦が避けられなくなったのは間違いない。 　この日のスマックダウンは「ABEMA」にて放送された。