BUCK-TICK今井寿「最後の一人は俺かな。それでも続けます」 根底にあるのは「楽しみたい」という気持ち
昨年10月、圧倒的な存在感を放つボーカリスト、櫻井敦司が急逝した。残されたBUCK-TICKの4人のメンバーは直後にバンドを継続させることを発表。新体制初となるアルバム『スブロサ SUBROSA』では、ギタリストの今井寿と星野英彦がボーカルを取り、新たな音楽の扉を開いた。今井寿がバンドと音楽について語った(文中一部敬称略)。 【写真】「それでも続けます」と語る今井寿さん * * * ■いつかは誰かが欠ける日がやってくる ――約40年、BUCK-TICKは不動のメンバーで活動を続けてきました。いずれ誰かがいなくなってしまうことは避けては通れないことだったとしても、誰もが「早すぎる」と感じたと思います。 櫻井さんが亡くなったとき、今井さんは「永遠に5人でバンドをやれると思っていました。でも、そんなコトは、『不可能」ということも最初から、わかっていました。いつか、こんな日が来ることもわかっていました」というメッセージを発信していました。 今井 ずっと5人で続けていたら、いつかは誰かが欠ける日がやってくることは、頭ではわかっていました。それを実際に体感したという感覚です。頭ではわかっていたけれど、「こういうことになるんだな」と。 ■一人になっても続けられたら ――昨年は、櫻井不在のまま、年末恒例となっている日本武道館での単独公演を開催した。スクリーンには生前の櫻井の歌唱映像が映し出され、その歌唱音源に合わせて、メンバーが生演奏するという形でライブは行われた。 その武道館で、今井は新体制で新曲を作り、アルバムをリリースすることを宣言した。同時に、こうも言った。 「でも、覚悟しててください。次は3人になります。それでもパレードは続きます。次は2人、次は1人、たぶん最後の1人は俺かな。それでも続けます」。 今井 もし自分一人になっても続けられたら、本当に面白いと思う。BUCK-TICKを「守る」とか「背負う」という感覚はあまりなく、単純に「楽しみたい」という気持ちがあるだけなんです。これからBUCK-TICKがどうなっていくか。楽しみながらやっていきます。