BUCK-TICK今井寿「最後の一人は俺かな。それでも続けます」 根底にあるのは「楽しみたい」という気持ち
■動機は「バンドだけで生活できるようになりたい」 ――40年、BUCK-TICKと共に歩んだ人生だ。インタビュー中、何度も口にした言葉は「面白い」と「楽しみたい」だ。 今井 10代のころにメンバーと出会い、BUCK-TICKを組みました。「バンドで一発当てたい」という気持ちがあったわけではなく、「バイトをしないでバンドだけで生活できるようになりたい」という動機からでした。 それが実際にできるようになって、バンドはうまく転がっていきました。そういうことが起きるのが、僕にとってのバンドの面白さです。だから、これからもバンドがどう転がっていって、どういう景色が見られるのか、それを楽しみたいというだけなんです。 ■自分たちがどうなるか早く知りたい ――BUCK-TICKはBUCK-TICKにしか作り得ない表現を更新し続け、ファンに愛され続けてきた。だからこそ、支えてくれているファンやスタッフへの責任感を感じる。一番幸せを感じる時はいつだろうか。 今井 なにもしなくていい時、なにもしていない時です(笑)。たまにあるそういう瞬間に、一番幸せを感じます。 ――新アルバム『スブロサ SUBROSA』をひっさげ、12月からはファンクラブ会員限定ツアーをスタート、年末には武道館公演が控える。来年4月からはアルバムツアーを行うという。すさまじいスピード感だ。 今井 新たな編成になった自分たちがどうなるのか、早く知りたいんです。 ライブでも音源同様、僕と星野がボーカルを取ります。先日少しスタジオに入ってみたのですが、BUCK-TICKという名前ではあるけれど新しいバンドだと思いました。ステージ前に鍵盤を置いたりと、4人の立ち位置はこれまでとは違いますし、楽器の構成が大きく変わります。面白いです。この後、本格的にリハスタに入って音を合わせますが、頑張りますよ。 (構成・ライター 小松香里)
小松香里