巨人・菅野がセ・リーグMVP 35歳でセ投手史上最多3度目受賞 「オッズ100倍くらいあったでしょ」
◇NPBアワーズ(2024年11月26日) プロ野球の年間表彰式「NPB AWARDS 2024 supported by リポビタンD」が26日に都内で開かれ、巨人・菅野智之投手(35)が4年ぶりにセ・リーグMVPに輝いた。3度目の受賞は2度で並んでいた藤田元司(巨人)らを超えてセ投手では最多。パ・リーグではソフトバンク・近藤健介外野手(31)が初受賞した。新人王にはセは巨人・船迫大雅投手(28)、パは西武・武内夏暉投手(23)が選ばれた。 セ・リーグ投手では史上最多3度目のMVP。これまで数々の栄誉を手にしてきた菅野にとっても、格別な受賞になった。 「たくさんタイトルもらったけど、今年は自分自身も期するシーズンだったので、うれしい。去年の今頃は、菅野がMVPを獲ると思っている人は誰もいなかったと思う。オッズは100倍くらいあったでしょ(笑い)」 冗談も交えて達成感をかみ締めるほど、もがき苦しんだ23年から復活を遂げた。故障も響いて初めて開幕を2軍で迎え、プロ11年目で最少の4勝。「去年は開幕のメンバーにも入れなかったし、本当に何もできなかった」。昨季途中に久保巡回投手コーチと一から投球フォームをつくり上げ、終盤には手応えもあった。「まだまだやれるんだと信じて、オフからトレーニングだったり、自分自身を見つめ直す時間に費やしてきた」と振り返った。 15勝3敗で、いずれも4年ぶりとなる最多勝と勝率第1位のタイトルを獲得。「一番、勝負を懸けたシーズンだった」という1年で再び輝き、ゴールデングラブ賞、ベストナイン、最優秀バッテリーに続き、MVPが6冠目を数えた。35歳はセ・リーグ投手では最年長の栄誉。「同年代の(坂本)勇人さんだったり、(中川)皓太も、もっとできると思っている。今年、僕はやれたので、そういう人たちの励みになれば」。来季へ向けて「勇人さんに(MVPを)獲ってもらいたい」と託した。 数々の栄光を置き土産にメジャーへ挑戦。「いろいろな人が応援すると言ってくれたし、後押ししてくれた。ここから新たなチャレンジができることに感謝をして、日々、野球選手としても人としても成長していけるように頑張っていきたい」。熟練の右腕が胸を張って海を渡る。(小野寺 大) ≪別所、藤田抜いた≫35歳の菅野(巨)が20年以来4年ぶり3度目のMVP。MVPの獲得回数最多は王貞治(巨)の9度だが、投手では山田久志(阪急)、山本由伸(オ)に並ぶ最多タイ。セ投手では別所毅彦(巨)、藤田元司(巨)の2度を抜き単独最多となった。また、投手の最年長MVPは1リーグ時代の47年若林忠志(神)の39歳だが、セでは56年別所の34歳を上回る最年長となった。