久保建英の開幕戦に現地紙は高評価 変革期のチームにあって攻撃の旗手として期待
【「削られまくり」に同情も】 スペイン大手スポーツ紙『アス』も、攻撃の旗手になっていた久保に好意的な評価だった。 「タケ(久保)は試合に入るのには苦労した。しかしいったんフィットすると、右サイドで多くのチャンスを作り出している。相手はファウルでしか対抗できなかった。交代はシンプルに消耗が理由だろう。あとは、そのいいプレーをどこまで決定的なものにできるか、だが......」 前半終了間際、FWシェラルド・ベッカーのやや雑なサイドチェンジも、久保は右サイドで残す。これをDFアマリ・トラオレが受け、ゴールに迫った。チームの動きを好転させていた。 ボールを受けた時の"支配感"は、やはり傑出していた。ダビド・シルバのような理解者がいたら、どんなプレーを生み出していたか。キープし、時間を作っても、チームメイトが反応しきれていないのが現状なのだ。 「めっちゃ削られる」 スペイン大手スポーツ紙『エル・ムンド・デポルティーボ』はそんな見出しで、久保に同情的だった。 「削られまくった混乱から抜け出した時、味方に好影響を与え出している。そのスピードとテクニックで敵の守備を崩し、脅威になっていた。後半立ち上がり、ベッカーへのパスは決定的な形で、1-0になってもおかしくなかったが、ゴールはならなかった」 53分、久保は最大の決定機を演出している。ラージョのCKのこぼれ球に反応し、相手ボールを自陣で奪い返すと、そこからカウンターに切り替え。ベッカーに完璧なラストパスを送ったが、ベッカーはこれを決められなかった。 その3分後にも、久保はしつこくまとわりつくエスピーノを急角度のフェイントで抜き去っている。さらにスライディングタックルで飛び込んできたアドリ・エムバルバのファウルを受け、イエローカードを誘発。エムバルバは判定に怒って、久保の胸を小突いてきたが、自身の計算よりも久保の動きが早かったのだろう。その苛つきに力の差を感じさせた。 67分、ラ・レアルはオヤルサバルの久保へのパスをカットされ、そのカウンターを決められてしまう。この失点が重くのしかかった。失点直後、久保はお役御免となる。