サムスンの「Galaxy S25」に欲しい4つのこと--日常で役立つ機能に期待
サムスンの「Galaxy S24」シリーズではさまざまな部分が以前よりも改良されており、改良点の中には実用的なものもあれば、先進的なものもあった。実用的な改良点の例としてはS24やS24+でバッテリー持続時間が延び、先進的な機能の例としては、すべてのモデルに「Galaxy AI」が導入された。筆者は「Galaxy S25」(仮称)に、これら両面でのさらなる進歩を期待している。 【「Android 15」で使える14の新機能--AIやARで便利に楽しく】 サムスンのAI重視の傾向を見れば、Galaxy S25にはおそらくGalaxy AIの新機能が搭載されるだろう。同社が10月の初めに開催した開発者向けカンファレンスでは、S25シリーズでは「One UI 7」のソフトウェアアップデートが新たに導入されるとの事実上の予告があった。 現在のGalaxy AIの機能には将来性を感じるが、筆者は、次回のアップグレードに、スマートフォンの使い勝手全般にもっと大きな影響を与えるものを期待したい。現在の機能を見ると、言語の翻訳や写真の編集といった、通常はあまり頻繁には使わない、用途が限られたユースケースが中心になっている感がある。 その他にも、充電のスピードアップや、カメラやディスプレイなどのスマートフォンの中核となる要素が改善されるところを見たい。 よりインパクトのあるGalaxy AIの機能 今のところ、Galaxy AIや他社の生成AIの機能は、まだ草創期の段階にあると感じられる。サムスンはまず、写真から何かを消したり、テキストでの会話やリアルタイムでの通話を翻訳したり、簡単な下書きから洗練された画像を生成したり、動画をスローモーションでプレビューしてその結果を保存したりといった、分かりやすく実用的なユースケースに生成AIを適用することから取り組んでいる。 しかし筆者が本当に望んでいるのは、スマートフォンで普段私たちがやっている日常的なタスクを根本的に見直し、素早く簡単にできるようにしてくれることだ。現時点で使えるサムスンのAI機能の中で、それを一番実現してくれているのは「かこって検索」だろう。この機能は、画面に映っているものをGoogleで検索する作業の中間の手順を省いてくれる。こんな機能がもっと欲しいのだ。 筆者は、スマートフォンに無限に届く通知や、データや、メディアの管理を手伝ってくれる新しいAIツールを求めている。「Pixel 9」シリーズに新しく搭載された「Pixel Screenshots」アプリには、保存しておいたスクリーンショットの中身を検索できる機能があり、これはこの手のアイデアの優れた例だと言えるだろう。「Apple Intelligence」の通知やテキストメッセージを要約してくれる機能もそうだ(こちらはまだベータ版でしか使えないのだが)。 サムスンのフレームワーク研究開発チーム責任者を務めるエグゼクティブバイスプレジデントのSally Hyesoon Jeons氏は、次のモバイル向けソフトウェアアップデートはこのテーマに沿ったものになるとほのめかしている。Jeong氏は、同社の開発者向けカンファレンスで、One UI 7はユーザーの意図を理解し、「複雑さを最小限に抑える」ものになると述べた。ただし、ソフトウェアの具体的な詳細については明らかにしなかった。 この方向性は、サムスンのカスタマーエクスペリエンス責任者を務めるエグゼクティブバイスプレジデントのPatrick Chomet氏が米CNETの取材で語ったソフトウェアに対するアプローチとも一致している。 Chomet氏は、サムスンが今後、どのようにスマートフォンのソフトウェアをもっとスマートにしていくかについて尋ねたインタビューで、「いずれは設定を開く必要も、次のアクションを探す必要もなくなるようにしたい」と述べている。「実際、アプリを開く必要さえなくなるかもしれない」と同氏は言う。 筆者はサムスンが、他の安価なモデルでは使えないUltra限定のGalaxy AIの機能をGalaxy S24 Ultraに持たせる好機を逸したと考えている。そんな機能があれば、値段の高さを正当化するのに寄与するだけでなく、「Ultra」の名前に相応しい特別感を出せただろう。サムスンは2025年にはアプローチを変えてくるだろうか。 スマートフォンの使い方を変えることは、一筋縄ではいかない。私たちがどれだけ基本的なタスクをスマートフォンに頼っているかを考えれば、消費者に新しいやり方を受け入れさせようとしても、一歩間違えば、役に立つどころかかえって大変な問題になりかねない。筆者は、サムスンにわずか数カ月でOSを一変させることを期待しているわけではなく、「かこって検索」のような、新たな方向への一歩を見せてほしいと考えている。 充電のスピードアップ Galaxy S24のバッテリー持続時間が延びたことは素晴らしかった。あとは充電スピードを上げるだけだ。Galaxy S24は25Wの有線充電に対応しており、Galaxy S24+とS24 Ultraは45Wに対応している。これは何年も前からのことで、少なくともGalaxyシリーズがS20になってからは変わっていない。 OnePlusのような企業が驚異的な充電スピードを実現していることを考えれば、サムスンにも多少の改善を求めたい。例えば「OnePlus 12」は、米国では80W、英国では100Wでの充電が可能で、米CNETのAndrew Lanxon記者は、バッテリーをたった26分でフル充電できたと報告している。 サムスンも充電速度をステップアップさせるべきだ。 全モデルでのグレア低減 Galaxy S24 Ultraで特に過小評価されている特長の1つが、ディスプレイにグレアや反射を低減する「Corning Gorilla Armor」を採用したことだろう。画面は間違いなくスマートフォンの最も重要な要素であり、改良はどんなものでも大歓迎だ。米CNETのLexy Savvides記者は、S24 Ultraのアンチグレアスクリーンを非常に気に入っており、晴れた日のサンフランシスコでは「iPhone 15 Pro」や「Pixel 8 Pro」、「Galaxy S23 Ultra」よりも見やすかったという。 ただし、このコーティングが施されているのはGalaxy S24 Ultraだけだ。スマートフォンにとってディスプレイの品質は非常に重要で、これをGalaxy S25のシリーズ全モデルに採用することは非常に理に適っている。Ultraには大型スクリーンや「Sペン」、高性能なカメラが搭載されており、それだけでもこの超ハイエンドモデルを他のモデルと差別化するには十分だろう。 カメラの改良 サムスンは、2023年に発売した「Galaxy S23 Ultra」でメインカメラに2億画素のカメラを採用して注目を浴びた。しかし、画素数は写真の撮影に影響を及ぼす数ある要素の1つにすぎない。センサーの大きさやピクセルのサイズ、絞り値、チップの画像処理プロセッサーなどの要素も、画素数と同じくらいスマートフォンが良いカメラになり得るかどうかを左右する。 サムスンはこれらの分野でも長年改良を重ねてきたが、小米科技(シャオミ)との新たな競争に直面している今、スマートフォン写真の真の王になりたければもっと努力が必要だ。 「Xiaomi 14 Ultra」は、Galaxy S24 Ultraよりもさらに大きい巨大なイメージセンサーを搭載しており、Lanxon記者がこれまでのスマートフォンで見た中で最高水準の画像だと述べたほどの、ダイナミックレンジが広い印象的な写真を撮影できる。センサーが大きいほど多くの光を捉えられるため、画質は改善し、ノイズ除去の必要性もが下がる。 また、より実用的な写真編集機能も欲しい。筆者は、iPhone 16に導入された、シーンに合わせてカスタマイズされたエフェクトを画像に適用できる新しい「フォトグラフスタイル」機能をとても気に入った。サムスンも自社版の「フォトグラフスタイル」を作るべきだとは言わないが、生成AIを使って写真の中身自体を変えてしまうようなものではなく、写真の美しさを向上させる新しいツールが欲しい。 端的に言えば、筆者はサムスンに、カメラ、ディスプレイ、充電速度のレベルを上げ、以前よりもスマートフォンを直感的に使える新しいソフトウェア機能を導入してほしいということだ。サムスンは通常、Galaxy Sシリーズのスマートフォンを毎年第1四半期にリリースしているため、これからの数カ月間でまた新たな情報が出てくるだろう。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。