63歳、夫婦で「2000万円」貯めました。年金額は2人で「月23万円」ですが、これで100歳まで問題なく生きていけるでしょうか?
さらにリスクを減らしたいなら
もっと長生きした場合や支出が大きくなった時を考慮して不安を感じる人は、リタイア後も一定の勤労収入を得ることでリスクをさらに減らすことができます。 とはいえ現役時代と同じ働き方をする必要はなく、月に5万円や10万円の収入でも十分に貯蓄の取り崩しペースを遅らせる助けになります。収入のために働くのではなく、働きがいや健康の維持、社会との関係を保つことを目的として、無理のない範囲で働くことをおすすめします。 一定の収入がある場合、年金の繰下げ受給を検討してもよいでしょう。年金の繰下げ受給をすると、繰り下げた月数×0.7%年金受給額が増えます。例えば67歳まで2年間繰り下げた場合だと16.8%増額され、70歳まで5年間繰り下げると42%増額された金額が受給できます。 年金の繰下げ受給をする場合、65歳から年金を受け取る場合と比較すると、80代前半で総受給額が逆転します。そのため、早く亡くなってしまったらもったいないと考える人もいるかもしれませんが、冒頭で記したように平均寿命が延びているため、長生きすることがリスクにならないような対策も必要です。 また、まだ若い世代の人は、資産運用などを通じて貯蓄額や年金額を計画的に増やすというのも効果的な方法となります。
準備をしておけば充実した老後を楽しめる
「貯蓄2000万円と毎月の年金が夫婦で23万円あれば、100歳まで生活できるのか?」という問いに対しては、現状は問題ないと考えてよいでしょう。 それでも不安な人は、老後も働くことで経済的な安定だけでなく、精神的・身体的な健康も維持できるかもしれません。必要以上に不安を抱えず、前向きな計画を立てることで充実した老後を楽しむことができるのではないでしょうか。 出典 総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要 日本年金機構 年金の繰下げ受給 執筆者:御手洗康之 CFP
ファイナンシャルフィールド編集部