63歳、夫婦で「2000万円」貯めました。年金額は2人で「月23万円」ですが、これで100歳まで問題なく生きていけるでしょうか?
日本人の平均寿命は延び続けており、20年前と比較するとおよそ3歳寿命が長くなっています。そのため、老後資金に不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。 本記事では、かつて社会問題となった老後2000万円の貯蓄をした場合、平均的な年金額を受給できる夫婦が100歳まで暮らしていけるのか、前向きな視点で考えてみます。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
毎月28万円程度の支出でも大丈夫な計算に
結論からいえば、2000万円の貯蓄があり、平均的な年金を受給できるのであれば、100歳まで生きたとしても問題なく暮らしていけます。 貯蓄2000万円を65歳から100歳までの35年間で取り崩していくと仮定すると、年間で約57万円、月額では約4万8000円を利用できる計算です。年金額23万円と合わせると、月額で約28万円利用できます。 一方、総務省統計局が公表している家計調査年報で年金生活夫婦(65歳以上の夫婦のみの無職世帯)の支出を見ると、月額およそ28万円の支出となっています。娯楽費2万4690円や諸雑費1万9835円、交際費2万4230円などが比較的大きな金額となっていますので、もっと削れそうだという人もいるかもしれません。 この場合であれば、収入と支出のバランスが取れているため、100歳まで生きても生活できる計算となります。 ただし、住居費が月約1万7000円と持ち家の金額になっています。そのため、賃貸の場合は家賃分の支出が増えると考えておきましょう。なお、家計収支の内訳は図表1のとおりです。
<図表1> 総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要 もちろん、「2000万円と年金があれば大丈夫なのか、じゃあよかった」で終わってはいけません。無計画にお金を使っていたら資金はいずれ底をついてしまいます。高齢になり、医療費などが増加する可能性も高くなります。 重要なのは、自身の支出をきちんと把握しておくこと、定期的に資産の取り崩し状況をチェックしておくことです。年金生活になると、基本的に収入の変化は小さくなりますので、支出と資産の取り崩しペースをチェックしながら将来に備えるようにしましょう。