様々な経歴持つソプラノ歌手グループ「One and Only」歌への思い
様々な経歴持つ歌手グループ「One and Only」奮闘中 THE PAGE大阪
今月18日、神戸市中央区の兵庫県立美術館のアトリエに、ソプラノ歌手たちによるアカペラの童謡やクラシックナンバーの歌声が響きわたった。関西を中心に活動する9人の歌い手たちによる企画・演奏グループ「One and Only(ワン・アンド・オンリー)」のコンサートでのひとコマ。パンフレットに書かれたメンバーの経歴をみると、「音大・大学院を卒業」「政府給費留学経験」などの記載があるが、メンバーはそれぞれ企業などでの仕事を抱えながら、わずかな合間をぬって練習を積み重ね各地で歌声を披露しているという。今回はそんなメンバーの練習やコンサートの様子をのぞいてみた。
9人の歌い手たちが集まる企画・演奏グループ
ワン・アンド・オンリーは、メゾソプラノ歌手としてで躍する波多野睦美さんの、自由で垣根のないスタイルで歌う姿に魅了されたという9人の歌い手たちが集まり誕生した企画・演奏グループ。 「クラシック演奏会」という概念にとらわれず、自由なアイディアで様々な音楽にチャレンジする「波多野イズム」を継承し、関西を中心に様々な場所でコンサートを開いているという。 「みんな仕事をしながら頑張ってます」と語るのは、ソプラノ歌手の高山景子さん(38)。高山さんは、2002年にドイツ政府給費留学生として、国立ベルリン大学への留学したり「第10回松方ホール音楽大賞」など名だたる賞を受賞するなどした経歴の持ち主だ。だが、現在は、在阪のFMラジオ局の広報担当という仕事をしながら、休日などの時間は音楽活動に取り組んでいるという。
仕事をしながら音楽活動、意見のぶつかり合いで向上
そんな高山さんが今月初め、大阪市内で全体練習に参加していると聞き、ちょっとその様子をのぞきにいってみた。同市東淀川区の住宅地にある小さな音楽施設から歌声が漏れ聴こえてくる。練習場のドアを開けると、透き通るような歌声が施設いっぱいに響き渡り、違う世界観を感じる。 話を聞けば、全員仕事を終えたあと帰宅ラッシュの電車に揺られ駆けつけたという。この施設は、以前コンサートを開催させてもらった縁から使わせてもらっているという。 「メンバー全員が集まる練習は、いつもやれないので、貴重なんです」と高山さん。個性のあるメンバーが集まってはいろんな意見を出し合い、練習中には意見がぶつかり合ったりすることも多々あるそうだが「それもコンサートを良いものにするための過程。それがあるから、次もやろうと思うんですよね」と少しうれしそうな表情で話す。この日も、夜遅くまで、納得がいくまで、練習を続け本番への準備を進めた。