様々な経歴持つソプラノ歌手グループ「One and Only」歌への思い
初めてアカペラでのコンサートに挑戦
そして、コンサート当日の18日。会場となった兵庫県立美術館のアトリエには、開場前から多くの客が列をなす。受付は、今回はコンサートに出演しないメンバー。裏方も自分たちで分担していくことで、支える側の気持ちも知れるという。そのため担当メンバーは「裏も表もやれるのは魅力です」と笑顔で語り、来場者の応対や前説などを行っていた。 今回訪れたコンサートでは、同グループでは初めての「アカペラ」に挑戦。コンサートのタイトルも「ア・カペラの魅力~声遊び♪~」というものにし、クラシックのほか日本の童謡なども取り入れた。 そのため、観客の表情をみると、なにか懐かしさに浸りながら聴き入っている印象とともに、ソプラノ歌手が歌う童謡は、いつもと違って新鮮に聴こえたのかもしれない。
点字を使った楽譜で楽しく歌ってみせる北村さん
そんなコンサートを見ていて、手に持つ楽譜を指でなぞりながら歌うメンバーの姿があった。そのメンバーは北村多恵さん。視覚障害のため点字を使った楽譜を手に持ち、指で追いながら歌っているが、このワン・アンド・オンリーをリードしている印象もある。 ほかのメンバーも「いちばんしっかりしているんですよ」と語り、頼りになる存在であることがうかがえる。点字の楽譜は間に合わない場合は自分で作成するなど、相当な努力もしているが、本人はそんな大変さを微塵も感じさせずに歌うことを楽しんでいる。 筆者の「大変でしょう」という質問にも「みなさん楽譜を見られるとき目線が楽譜にいくんですけど、私は客席をしっかり見られる利点があるので」と笑顔で答える。また「だれかが間違わずに歌ってくれれば大丈夫」と話し、メンバーらの笑いを誘うなどムードメーカー的な存在感もあらわし、客席の感動も呼んでいた。 コンサート終了後「限られた時間の中で大変な面もありますけど、アイデア出す時とかはいちばん充実してますね。これからもできる限り頑張っていきたい」と笑顔で語る高山さん。今後も歌える場所があれば、いろんなアイデアを出してコンサートにチャレンジしていきたいそうだ。