浮気に監禁、モラハラ・DV… サスペンス展開にハラハラが止まらない!『4人の女を同時に妊娠させた夫』【書評】
「あなたの夫の子どもを妊娠しました」といわれたら、どうするだろうか。まずは真実を確認して、離婚するかどうかを検討する人が多いだろう。しかし、もしもその報告を同時に4人の女性からされたなら――? 【漫画】本編を読む
『4人の女を同時に妊娠させた夫』(サレ妻さおり:原作、モチ:漫画/KADOKAWA)では、そんな壮絶なされ妻体験が描かれている。本作は夫が浮気で4人の女性を妊娠させていたうえ、監禁とモラハラ・DVを受けたされ妻・ユヅキの物語だ。浮気にサスペンス要素が加わった先の読めない展開はハラハラの連続で、思わずのめり込んでしまうはずだ。 主人公のユヅキは、9歳年上の夫・タカオと暮らす元保育士の主婦だった。結婚から2年。幸せだったはずの毎日は、謎のエコー写真により一変していく。ある日ユヅキの前に現れた第1の女・ナナは、「タカオの子ども妊娠してます」といって立ち去ってしまう。タカオはナナをストーカーだというが、ユヅキの胸には不安が広がっていくーー。
「タカオは自分を裏切っていない」と信じるために、ユヅキはボイスレコーダーを仕込んで情報を集めることに。しかし、その調査によって、タカオの裏切りは確実なものになってしまい、ユヅキは深く傷ついてしまう。幸せだと信じていたはずの人生が夫の浮気によって一気に崩壊してしまったのだから、その絶望は計り知れない。そして、第2の女・リサの存在を確信し、ユヅキの頭に離婚がよぎったとき、今度は第3の女・マユが登場する。
マユは「慰謝料も払うからタカオと別れてほしい」と直談判しにきたのだ。ここまで明らかな状況証拠があることで、タカオは浮気の言い訳ができなくなる。ユヅキが一番だといって謝罪するも次は第4の女・サトミが登場し、タカオと浮気した女性全員が妊娠していることが発覚してしていく。 結婚しているにも関わらず浮気していたタカオが最低なのはもちろん、その裏にあったであろう努力を想像すると思わず呆れてしまう。実際、リサとはアカウントを共有したメールの下書き機能を使って連絡を取り合うことで、浮気の痕跡を隠していた。ユヅキに浮気がバレないようにする工作に女性を妊娠させるための体力、心を繋ぎ止めるほどのマメな連絡とデート…。そうした努力は本来妻であるユヅキのためにするべきにも関わらず、その労力は他の女性のために使われていた。