「遺品整理は生前から始めないとマズい」…遺品整理を早めにするべき「本当の意味」と「片づけ本」の意外な落とし穴
ご両親が亡くなったら、実家をどうするかお考えだろうか。実家に戻って暮らすのか、それとも実家を処分するのか。いずれにしても遺品整理が必要だが、想像以上の困難が待ち受けている。いわゆる「親家片」本には、「こうして片づけた」「こうすれば片づけられる」などと成功例が書かれているが、現実はそんな生やさしいものではない。『遺品は語る』(赤澤健一著)から一部抜粋して、注意するべきポイントをお届けする。 【漫画】死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 『遺品は語る』連載第15回 『「絶対に逃れられない」…遺品整理業者が「一人でやる方がむしろ楽」と語る、いま遺品整理の現場で起きている意外過ぎる「現実」』より続く
「遺品整理は突然に」…誰もが準備できていない
遺品整理は、いつ必要になっても不思議ではない。 経験がないと、この点を誤解しがちなのだが、準備ができていないときに「ある日突然」が誰にでも起こり得る。特にご両親が高齢な場合、元気そうだからといっても、いつまでご健在かは誰にもわからない。 片親が残された場合、亡くなられた方が使っていたものや所蔵品は、思い出の品として残す分は別にして、不用であれば住み続けるために処分しなければならない。そのために遺品整理が必要になる。 さらに、残された片親が一人で暮らせるかどうかも問題だ。 一人暮らしが困難なら、子どもが引き取って同居するか、実家で同居するか、あるいは介護施設や高齢者専用のケア付き住宅などに入居させるか考えなければならない。その際にも、遺品を整理する必要が出てくる。
「片付け」はゴールじゃない
残された片親が、「当面は一人暮らしをするつもりだから、整理の必要はない」などと言いだすこともある。それで遺品整理を先延ばしにしがちだが、ちょっとしたことで一人で暮らすうえでの障害となり、やはり整理しなければならなくなることが大半だ。 病気やケガなどで一人暮らしがムリになることも多い。高齢者の場合、家の中の片づけをせずにそのまま暮らし続けること自体が、病気やケガを招いてもおかしくない。 一般の片づけ本では、それぞれの暮らし方の違いなどは無視されて、まず片づけありき。「そもそもなんのために片づけるのか」は後回しにされてしまっていることも多い。 「片付け」の前に、まずはライフスタイルを見直してみてはいかがだろうか。
赤澤 健一(グッドホールディングス株式会社代表取締役社長)