「人それぞれだから」は絶対言ってはいけない…雑談を一瞬で凍らせるNGワードvs.5文字の盛り上げフレーズ
■雑談の楽しみを一瞬で壊してしまう言葉 ---------- うまく雑談できる人は「具体的には?」と聞き、 できない人は「人それぞれだから」と言う。 ---------- 「やっぱり本を読むならビジネス書だね」 「いやいや、人生の幅を広げるなら小説に限るよ」 雑談で盛り上がっているときに、こんなふうに水を差す人がいませんか? 「まあ、人それぞれだから、とやかく言うのは違うんじゃない?」 ビジネス書を推す人も、小説を推す人も、人それぞれの好みや考え方があることは十分承知のはず。それを踏まえた上で雑談を楽しんでいるわけです。 それを一瞬で壊してしまう言葉が、「人それぞれ」です。 抽象度の高い概念を持ち出したら、雑談は続きません。 「お仕事は何をされているんですか?」 「はい、会社員です」 こちらも同様です。 「あまり話したくないのだな」と思われて雑談が盛り上がりません。 「課長、こんなときにどうしたらいいでしょう?」 「うーん、その時のケースによるね」 こんなことしか言わない上司も同様です。 聞いても当てにならないと思われて、相談されなくなります。 以上のように抽象度の高い話にしてしまうと、雑談は盛り上がりません。 雑談をうまくできる人は、具体的なエピソードや、事例を大事にします。 また、あいまいで抽象的なことを言われたら、具体化していく質問をすることで、話の取っ掛かりをつくり、話を広げていくこともできます。 ■あいまいな回答には、質問で情報を深堀りしていく 聞き手「お仕事は何をされているんですか?」 話し手「はい、会社員です」 聞き手「会社員をされているんですね。具体的にはどんな?」 話し手「ええと、経理の仕事を」 聞き手「誠実な感じがまさに経理の方という感じですね! 一生食いっぱぐれがなさそうですね」 話し手「いえいえ、そんなことはないですよ~。というのは……」 こんなふうに、あいまいな回答には、 「具体的には?」「と言いますと?」「たとえば?」 などの深堀りの質問が必須です。 深堀りをしていくことで、情報が具体化されると、自然に次々と質問したいことも増えていきます。 「相手のことを知れば知るほど好きになる」という状態を、「熟知性の法則」と呼びます。逆に考えると、相手のことを知らないから無関心になるわけです。 人気者に、人と関わるのが嫌いという人はいません。 「人気」という漢字は、人の気を集めることを言います。他人を好きにならないけど、自分を好きになってくれというのは無理な話です。 人に対して好奇心があり、他人に興味を持ち、いろいろと相手のことを理解する努力をする人は、自分から人に好意を持ちやすいです。ですから他人からも好意が返ってきます。 とにかく具体的な話を引き出していきましょう。 自然に相手に対してどんどん好意を持てるようになるでしょう。 そして人気も集まっていくでしょう。 ---------- 松橋 良紀(まつはし・よしのり) コミュニケーション心理トレーナー 1964年生まれ。青森市出身。20代で営業マンを経験するが、強度の人見知りで人間関係が大の苦手なため、まったく売れず……。ところが30歳のとき、カウンセラー養成学校で心理学を学んだことで人生が激変。支店長となり社内研修講師として全営業所の全社員の営業研修を担当すると、1年で会社の売り上げが140%アップ。2007年にコミュニケーションが苦手な人、困っている営業パーソンのための協会を設立。著書はこれまでに30冊、累計40万部。『話し方で「成功する人」と「失敗する人」の習慣』(明日香出版社)、『「売れる営業」がやっていること 「売れない営業」がやらかしていること』(大和書房)、『何を話せばいいのかわからない人のための雑談のルール』(中経の文庫)など著書多数。 ----------
コミュニケーション心理トレーナー 松橋 良紀