経営学の専門家が明かす、自らの「超保守的な資産運用」 「アクティブな投資が長期的にペイしないことは学術的に実証済み」
「株の売買は資産運用ではなくエンタメ」
ですから、なるべく長期で、しかも分散したポートフォリオを作っていくのが、もっとも合理的であり、王道です。「効率的市場仮説」の考えに基づき、普通預金一辺倒から、いまのスタイルになりました。 一般の方がNISAを活用してインデックスファンドに投資していくというのはいいと思います。僕自身はNISAでどこに投資しようかということを考えたくないので、やりませんが。 個別の株を売買することは僕に言わせると「目的」が違います。それは合理的な資産運用ではなく、ハラハラドキドキを楽しむ「プロセスのエンターテインメント」です。このところの日経平均株価の乱高下はエンタメ派にとってはまたとない楽しみどころでしょう。ただし、少なくとも僕はそれを必要としません。エンターテインメントならば、東映の任侠映画を見れば、満たされるからです。 楠木 建 一橋ビジネススクール特任教授 「週刊新潮」2024年8月29日号 掲載
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