すでに組んだ住宅ローンの金利は交渉で下がる!? 元メガバンク支店長が教える「交渉の余地が十分にある人」とは
――実は驚いたことがあります。すでに組んでいる住宅ローンの金利ですが、「もう少し下げてもらえませんか」と掛け合ってみると、意外とできるって本当ですか。 菅井:はい、本当です。現在の市場金利や、銀行の金利を調べて比較して、他行で低い金利の住宅ローンを見つけたら、それをもとに(交渉材料として)自分の銀行に交渉するのです。「借り換えを検討していますが、登記費用などがかかるので、レートを下げてもらえませんか」と。銀行員時代はローンの引き下げ交渉なんて日常茶飯事でしたよ。相手が信頼のおける顧客で、ローン返済履歴が良好であれば銀行側にとっては手放したくないわけですから、交渉の余地は十分にあります。それを機に銀行が条件を見直すきっかけにもなります。 ■ついで買いの誘惑 ――何でも任せきり&ほったらかしにしないで、自分で情報をとって、まめに行動するって大事なんですね……。 菅井:銀行に対する意識を変えて、もっと銀行を上手に使ってほしいと思っています。ところで、お金をどこでおろしていますか? ――コ、コンビニです……。楽ですもん。 菅井:確かにコンビニでの現金引き出しは非常に便利で良いと思いますが、私から見ればお金が必要になってコンビニでその都度下ろすというのはキケン。手数料がかかる人もいるでしょうし、ついで買いの誘惑もあります。お金はもっと計画性を持って下ろして使うのが理想です。
――結局お金が貯まる人と貯まらない人の違いはそこにあるんですよね。計画性……。 菅井:1回目でもお話ししましたが、同じ45歳で年収1300万円の人が貯金ゼロなのに、年収500万円の人が預金2000万円という例。これ、本当にシンプルなんです。計画性の違い。お金をどう使い、どう回し、どう貯めていくかを考えて生きる人と、その場しのぎでお金を使っている人の違い。実はお金持ちになるって、すごく難しいことでもなくて、極めてシンプルな心掛けでなれるんです。次回はそのお金持ちの人のお金に対する捉え方と管理の仕方についてお話ししたいと思います。バブって生きるのも楽しそうですが、ほんの少しお金との向き合い方を変えるだけで、もっと違った楽しさも加わると思いますよ。 ――お金を増やすことや回すという感覚がわからなくて……。次回楽しみにしています! 次回の「教えて! 菅井さん」のテーマは、お金持ちの人がやっていることについて。「お金が貯まらない私は、貯まっている人と何が違うの?」です。 (構成/AERA dot.編集部・大崎百紀) 菅井敏之(すがい・としゆき)/1960年、山形県生まれ。学習院大学卒業後に、三井銀行(現・三井住友銀行)に入行。東京と横浜で支店長を務め、25年間銀行マン。48歳で早期退職。現在は10棟のアパート経営で年間7,000万円の不動産収入を得ている。また、人気講師として全国で講演やセミナーを行っている。現在は帝国ホテル内でお金に関する相談を受けている。著書に「お金が貯まるのはどっち!?」(アスコム)など。お金の専門家・菅井敏之公式サイト「お金が貯まるのは、どっち!?」(https://www.toshiyukisugai.jp/)
大崎百紀