アルファ・ロメオ、2027年に最高級SUVを発売へ 販売拡大の鍵となる「第5」のモデルとは
新たな大型車、米国市場に焦点か
アルファ・ロメオの新たな5番目のモデルラインは、最上級に位置するEセグメントの大型車となる。 【写真】スポーティで高級感あるイタリアンデザイン【アルファ・ロメオ・ジュニアを写真で見る】 (20枚) 同社の最高経営責任者(CEO)退任が決まったジャン=フィリップ・インパラート氏は、この新型車はおそらくSUVになるだろうと述べた。つまり、BMW iXやポルシェ・カイエンなどのライバルになるということだが、後任のサント・フィシリ氏に熟考する時間を与えた上で、詳細を発表する考えである。 インパラートCEOは14日に開幕した『パリ・モーターショー2024』で記者団に対し、「彼(フィシリ氏)は今後数か月の間、このEセグメント車の案について熟考できるだろう」と語った。 この新型車は親会社ステランティスの「STLAラージ」プラットフォームを採用する。STLAラージはエンジン駆動と電気駆動の両方に対応しており、後者は超急速充電(800Vシステム経由)が可能で、さまざまな高出力モーターと最大118kWhの大容量バッテリーを搭載でき、航続距離は約800kmとされる。 2025年の次世代ステルヴィオ、2026年の次世代ジュリアに続いて、2027年に登場する予定だ。いずれもアルファ・ロメオ独自の「ジョルジオ」プラットフォームを引き継ぐのではなく、STLAラージ・プラットフォームへ切り替える。 インパラートCEOは、この変更にもかかわらず、次世代のステルヴィオとジュリアはアルファ・ロメオらしいドライビング・ダイナミクスを「維持」できるだろうと述べ、STLAラージ・プラットフォームで「実現可能なパフォーマンスのレベルは非常に、非常に印象的」だとした。 ステランティスのマルチエネルギー戦略の一環として、ハイブリッド車とEVが導入される予定であり、消費者の需要に応じて、生産を100%いずれかにシフトすることも可能である。 次世代のステルヴィオとジュリアは、すでにイタリア、ドイツ、米国で一部の顧客向けに公開されており、インパラートCEOはその反響について「大成功!」とだけ述べた。 アルファ・ロメオの業績全般については、コスト削減と車両価格の値上げにより、「数億の損失から数億の利益」に転じたという。 インパラートCEOは、同社は販売台数を追うのではなく収益性を追求しており、販売された全車で高い利益率を確保し、「在庫はクリーン」で、生産されたすべてのクルマが購入者の手に渡っていると述べた。 14日のパリ・モーターショーでは、ステランティスのカルロス・タバレスCEOが合併当初のアルファ・ロメオについて「深刻な赤字に陥っていた」と発言した。はじめは「売却対象だった」が、その後「黒字転換した」という。 タバレスCEOは、現在では「十分な利益を上げている」と述べたが、ステランティスはブランド個別の業績を公表していない。
マーク・ティショー(執筆) 林汰久也(翻訳)