【あなたらしく、わたしらしく―男女共生はいま―】M字カーブ 育児の傍ら学び就活 預け先確保ハードル高く
◇ ◇ 福島労働局によると、今年4月の有効求職者で、4カ月以上のパート勤務を希望した1万1105人のうち女性は66・3%で、33・6%の男性の約2倍になった。子育てや結婚で仕事を辞めた後、再就職先にパートを選択している女性が多いとみられる。育児によって労働時間が限られ、フルタイム勤務が難しいためだ。 ジェンダー(社会的性差)平等を研究する福島大教育推進機構の前川直哉准教授は結婚と出産がリスクと捉えられ、女性の働き方を限定させていると分析。「育児は女性の役割」との認識が社会に根強く残っており、少子化の一因になっているとも指摘する。 改善策として「働く母親の意見を、企業や行政が採り入れることが求められる。さらに社会が行政と企業の取り組みを一つずつ検証する必要がある」としている。 ※M字カーブ 女性の年齢別労働人口の割合を折れ線グラフにした場合、M字のような形を示す。結婚や出産、育児のために20代後半から30代にかけて仕事から離れるため落ち込み、育児が一段落した後に再び上昇に転じる。90年代以降、就業を継続する女性が増え、徐々に台形型に近づいている。総務省によると、2022(令和4)年は20代後半が80%後半で推移。30代後半は70%後半に下がり、40代に80%台に持ち直し、年代が進むにつれて緩やかに低下している。