澄みきった静寂の中に幻想的な光 アイスランド・オーロラ紀行
12~18日、5泊7日でオーロラを観察するために北欧のアイスランドを訪れました。写真や映像でオーロラをたくさん見ていましたが、実際に観察するのはとても難しいと感じました。最初のうちはオーロラを見慣れていないと、雲と見分けがつきません。あれかな? と思ったらまずカメラで撮影して確かめてみないと淡いオーロラは断定が難しかったです。(葛飾区郷土と天文の博物館・湯澤真実)
晴れていてもオーロラレベルが低いと見られないし、オーロラレベルが高くても空が曇っていたら見られないし、いつ出現するかもわかりません。 北極圏にいればいつでも見られるという考えは大間違いで、本当に見られたらラッキーという心構えでいた方がよいのだと実感しました。 オーロラはひとつとして同じ姿はなく、淡い光で現れることが多いようです。この写真は滞在中、私が唯一肉眼で確認できたものです。アイスランドのセルフォーシュ(SELFOSS)という都市で、泊まったホテル近くの街灯が少ないところで撮影しました。現地時間で14日の午後10時30分頃。それから、雲で隠れてしまうまで30分くらい見えていました。 <オーロラってどういう現象?> 100km以上の上空で起きる放電現象で、北緯65度付近にあるグリーンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン北部、フィンランド北部の各都市、カナダではイエローナイフなどでも観察できます。 太陽から吹き付ける電子や陽子などの帯電性粒子の風(太陽風)が地球の磁気圏にとらえられ、磁力線に沿って極地地方に降り注ぎ、超高層大気にある酸素や窒素の原子に衝突します。このときに発せられる光が「オーロラ」です。帯電性の粒子がぶつかった気体により放つ色が変わります。その出現については、すべて解明されていません。 その名はギリシャ神話の「朝の女神」が由来しています。北欧・バイキングのあいだでは「北の光」と呼ばれ、古くから遠い海を旅するときの道しるべとされてきました。 もっとも観察しやすい時期は、4~9月頃の午後8時~11時のあいだ。一晩に2~3回出現し、1回に1時間くらいは現象は続き、激しく光輝くのはそのうちの10分程度です。 肉眼で確認できる色の多くは白っぽい緑色ですが、青やピンクなどもあり、形はカーテンのようなものから渦巻き状のものまで、さまざまです。