国内1の木造のっぽビルに福島県の南会津町産カラマツ 郡山市の藤寿産業が耐火集成材に
三井不動産が東京・日本橋に整備している国内で最も高い木造ビルの建設資材に福島県の南会津町産カラマツが採用された。郡山市の木材製造・加工業の藤寿(とうじゅ)産業が高い耐火性を備え、複数の板を結合した耐火集成材を製造する。 南会津町のカラマツは3フロア分に用いられ、全体の5分の1程度に当たる約200立方メートルに取り入れられる。藤寿産業が市内の工場で部材製造を進めており、3メートルの柱42本、5メートルの梁(はり)27本を納品する。同社によると、南会津町のカラマツは気温や標高の高さなどの影響で、強度が強く質が良いという。 鉄の使用を減らし、建設に伴う二酸化炭素(CO2)排出量を抑えられるため、大型物件に木材を積極的に活用する流れが業界全体に広がっている。同社が加工した集成材は2025(令和7)年大阪・関西万博のシンボルとして建てられる木造の大屋根(リング)や東京・JR山手線の高輪ゲートウェイ駅などに採用された。
西村義一社長は「持続可能な資源である木材の活用に技術力で貢献し、県産木材の需要を喚起していきたい」と意欲を示した。 三井不動産が手掛けるのは賃貸オフィスビルで、1月に着工し、2026(令和8)年9月の完成を予定している。地上18階建て、高さ84メートルで、1100立方メートル超の国産木材が使用される。