「沢村賞が欲しい」過小評価されている? メジャーが熱視線を送る「巨人の右腕」は
ケガなく安定した成績を残す
根尾昂(中日)、藤原恭大(ロッテ)、小園海斗(広島)と同世代。聖心ウルスラ学園高で3年夏に宮崎県大会準々決勝で敗退後、U-18(18歳以下)アジア選手権に臨む高校日本代表の壮行試合で宮崎県選抜チームの一員として登板し、6回途中9奪三振2失点の快投を見せた。だが、アーム式に見える変則的な投球フォームにプロのスカウトの評価が分かれた。巨人にドラフト6位で指名を受けると、一気にエースの座へ駆け上がった。 スポーツ紙記者は「大きなケガもなく安定した成績を残し続けている。他球団を見渡しても、コンスタントに高水準の結果を残している投手はなかなかいない。実際にメジャーのスカウトも熱視線を送っています。過小評価されているというか、もっと日本でも評価されていい投手だと思います」と指摘する。 チームの窮地を救うのが、エースの仕事だ。6連敗で迎えた6月14日の日本ハム戦(エスコンF)では今季最多の134球の熱投で2失点完投勝利。負の流れを止めた。
投手陣のリーダーの自覚
投手陣のリーダーとしての自覚は十分にある。 「やっぱり投手として一番輝いている沢村賞が欲しいですし、僕自身はまだ最多勝を獲ったことがないので、まずそこを獲ってからほかの意識というのはしたいなと思います。チームはこの2年Bクラスに沈んで悔しい思いをしています。チームを優勝、日本一にするためには投手陣の力も大事ですし、そこは僕も意識しますしね。一人ひとりが課題を分かっていると思いますし、先発なら先制点を与えないとか、ピッチャーから試合をつくっていけたらなと思います」 最後にリーグ優勝の歓喜を味わった20年。高卒2年目だった戸郷は1987年の桑田真澄以来33年ぶりの開幕先発ローテーションに入り、9勝6敗、防御率2.76をマークしてリーグ連覇に貢献した。その後も順調にステップアップしているが、チームは優勝争いに絡めないシーズンが続き、心から喜べなかっただろう。ナインたちと阿部慎之助監督を胴上げすることを目指し、右腕を振り続ける。 写真=BBM
週刊ベースボール