50代女性「非正規公務員」です。業務量は常勤職員と変わりませんが勤務時間が「15分」短くなりましたが、老後に影響はありますか?
非正規雇用の年金への影響
それでは、職があり、職場との関係も良好で毎年更新を続けた場合の(老齢)年金への影響はどうなるのでしょうか。 年金には厚生年金注と国民年金があり(※3)、厚生年金(注3)の加入条件は、厚生年金の適用事業所になっている勤務先で常時使用されることです。正社員・正規職員だけでなく、パートタイムやアルバイト・臨時職員なども条件を満たせば加入できます。 (1) 1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が同じ事業所で同様の業務に従事している一般社員の4分の3以上であること (1)の条件を満たさない短期間労働者であっても被保険が101人以上(注4)いる事業所等で、以下の就労条件を満たすと厚生年金に加入することになります(※4)。 ・週の就労時間が20時間以上 ・所定内賃金が月額8.8万円以上 ・2ヶ月を超える雇用の見込みがある ・学生でないこと なお、老齢年金を受け取ることができる加入期間は、以前は25年でしたが、2017年8月1から10年間になりました。 毎月、給料から引かれる厚生年金保険料は、給料の額によって変わります。給料の額が高くなれば基本的に厚生年金保険料も上がりますが、将来受け取る老齢年金の受給額も増えます。厚生年金に加入する場合は、国民年金と厚生年金と両方が受給できます。 一方、厚生年金の加入条件を満たさない場合は、国民年金のみに加入することになりますが、20歳から60歳になるまでの40年間納めていた場合でも月額6万8000円(注5)です。 注3: 被用者年金制度の一元化により、共済年金制度は厚生年金制度に統一され、平成27年10月1日から厚生年金に公務員や私学教職員も加入することとなりました。 注4: 令和6年10月から被保険者数51人以上の事業所等になります(※4)。 注5: 2024年4月分からの年金額です。
まとめ
非正規公務員は、福祉や教育の場での仕事が多く、やりがいを持ち、正規公務員よりもベテランの人もいます。それでも非正規公務員ということで待遇面では、正規公務員よりもかなり劣り、老後の不安を抱えている人が多いという問題点があります。 出典 (※1)総務省 令和5年度 会計年度任用職員制度の施行状況等に関する調査結果 (任用件数等) (※2)総務省 地方公務員数の状況 (※3)日本年金機構 公的年金制度の種類と加入する制度 (※4)日本年金機構 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大のご案内 執筆者:篠原まなみ 1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士、管理業務主任者、第一種証券外務員、内部管理責任者、行政書士
ファイナンシャルフィールド編集部