MLBでは意外にも低い指揮官の地位…選手の監督批判は寛容でも「球団批判」は命取り(友成那智)
【メジャーリーグ通信】 メッツのホルヘ・ロペスはクローザー経験もあるリリーバーだが、5月29日のドジャース戦に登板した際、大谷翔平に14号2ランを被弾。精神的なコントロールを失い、次の打者フリーマンのハーフスイングを巡って審判の判定に激高し退場処分になった。 【全米が驚愕!】ケタ外れのパワーを生み出す特大メロン級の「巨尻」! 怒りが収まらないロペスはベンチに戻る際、ふてくされてグラブをスタンドに投げ入れたうえ、「俺はMLBで最低のチームにいる」と球団批判までやったため即クビになった。 メジャーでは監督の地位が低いため、主力選手が監督批判をしても、クビになることはまずない。 昨年7月28日のブルージェイズ対エンゼルス戦でブ軍のエース・ゴーズマンが大谷翔平に安易にストライクを取りに行って一発を食らった際にはこんなことがあった。 主力選手のマット・チャップマンがベンチに戻ってシュナイダー監督に「なぜピッチャーに、大谷だけは、まともに攻めるなと言わなかったんだ」と詰め寄るシーンがテレビ中継で映し出されたが、何のお咎めもなかった。 マリナーズの右腕カービーは昨年9月、6回3分の1を5安打4失点で降板すると「七回は投げたくなかった」とサービス監督を批判。翌日に謝罪コメントを出すだけで済んだ。 しかし、球団批判はGM批判と受け取られ、球団を追い出されたり、選手生命を失ったりすることになる。 03年マリナーズのセットアッパーだったジェフ・ネルソンは、球団が7月末トレードで全く補強を行わなかったことを問題視して「去年は7月末に動かずポストシーズン進出を逃したんだ。今年もしなかったことは理解に苦しむ」と批判。当時のギリックGMは怒り心頭で、「そんなにトレードしろと言うのならおまえをトレードしてやる!」と速攻でヤンキースに放出してしまった。 度を越したGM批判で選手生命を失ったのは、08年にアストロズに先発投手として在籍していたショーン・チャコンだ。 チャコンはオールスターに選出されたこともあるベテランだったが、この年は不振だった。エド・ウェイドGMから呼び出しがかかった際も、成績不振を咎められることが分かっていたので、行くのを渋っていた。 するとGMの方からやってきて、近くにあった大鏡を指さして「今の自分の情けない姿をじっくり見つめてみろ」と言われたため激高。同GMの胸ぐらをつかんで押し倒してしまった。 転倒した同GMが反撃に出ようとしたところ、近くにいたチームメートたちが駆け寄って、2人を引き離したため大事には至らなかったが、GMへの暴力行為をやらかしたチャコンは即解雇。不法行為を働いたという理由で残りの期間の年俸も支払われなかった。 (友成那智/スポーツライター) ◇ ◇ ◇ そんなMLBでプレーする大谷翔平だが、日米の取り上げられ方には大きな違いがある。日本とはまったく違い、米メディアによる大谷の取り上げ方は「いまひとつ」なのだ。いったいなぜか。 ●関連記事【もっと読む】…では、その事情について詳しく報じている。