阪神・中川勇斗、人生初外野挑戦 打てる20歳捕手「試合に出てナンボ」
阪神秋季キャンプ(1日、高知・安芸)阪神・中川勇斗捕手(20)が外野守備に挑戦した。室内練習場で筒井壮外野守備兼走塁チーフ(50)とマンツーマントレーニング。パンチ力を秘めた好打が売りの若虎は来季、捕手と外野手の併用起用で自らの可能性を広げていく。 【写真】高校時代の中川勇斗 その手に携えたのはミットではない。グラブをつけて中川は白球を追った。自らの可能性を広げる安芸にする。自慢の打撃を生かすべく、一心不乱に外野守備に挑んだ。 「自分の幅を広げるのはいいことですし、他のポジションもやって、自分の長所を生かしていければと思う」 全体練習の打撃回り。中川は室内練習場の一角へと陣取った。筒井コーチと向かい合い、始まったのは5種類以上の外野ドリル。「きのう(10月31日)、(コーチから)『外野やるぞ』といわれた」。説明を受け、熊谷から借りた外野用グラブで反復練習を繰り返した。 「本当に素人なんで。難しいですし、あした(2日)から実際の球も捕っていく方向なんで、もっと課題が見つかると思う」 外野の経験はない。捕手は1枠のみで梅野、坂本らがひしめき合っている。中川は今季、ウエスタン・リーグでは打率・321。4本塁打とパンチ力も兼ね備え、得点圏打率・404と勝負強い。藤川監督は「打撃が非常に優れた選手」と認める。オリックス・森や広島・坂倉ら他球団には打撃力を買われて捕手以外のポジションを守る選手もいる。中川も「試合出てナンボなんで、どこでも守れるというところを見せて、1軍で活躍したい」と鼻息は荒い。 10月の秋季教育リーグで受けた死球の影響で右手の腫れが引かず、現状は打撃練習ができない。だったら、これをきっかけに挑戦をしようという首脳陣からの提案を受け入れた。当然「ずっと捕手をやってきたので簡単には終わらせない。キャッチャーメインで打てる捕手を目指したい」と従来の練習も続けていく。 「自分の持ち味はバッティング。もちろんキャッチャーでもうまくなって、どっちもやれる状況に来年はしていきたい」 来季は捕手と外野の二刀流-。眠っている可能性をたたき起こし、チャンスをつかみ取る。(原田遼太郎)