【記者解説】岸田政権3年の功罪とは
一方、林氏は岸田政権下での外交について「なかなか進まないことを進めた」と特に評価します。 東アジアの安全保障環境が厳しくなるなかで、日韓の関係を構築しました。 また、G7広島サミットでは、核保有国のリーダーが原爆死没者慰霊碑への献花や平和記念資料館を視察する機会を作り、ウクライナのゼレンスキー大統領との会談も実施。 林氏「外交の舞台をきちんとアレンジできたという意味で、一国の総理大臣としては非常に重要であり、非常に良かった」 林氏は、岸田氏の罪の部分について「国民とのコミュニケーションはダメだったし、党内のコミュニケーションもダメだった」とコメント。 特に、統一教会との関係や、裏金問題の真相究明について「いまだに国民は覚えていますし、モヤモヤしている。自民党がコケるかもしれない要素を残してしまった、先送りしたところは罪だ」と林氏。 選挙では、無党派層も含めた有権者全員から審判を受けます。 林氏「岸田さんが辞めたから、この問題は終わりですよと見てくれるとかいうと、そんなに甘くないんじゃないかな」 MC伊藤「そこは岸田政権の3年間の中で、もう少し追及できた部分があったのではないか、という見方もできるということですね」
意外と「キャッチフレーズ政治」だった?!
MC伊藤「経済・財政のお話も伺えればと思います」 水内氏は、岸田政権2年目ぐらいの時に岸田氏と直接お会いした際、「株価4万円と賃上げ5%は、必ず自分の時にやるし、もう目の前にきている」と話し「1番やりたいことは経済」とハッキリと話していたエピソードを披露しました。 岸田政権は、日銀総裁の交代や金融緩和策の変更なども行い「道半ばで辞めるのは、岸田さんも忸怩たる思いがあるんじゃないかな」と水内氏は推察しました。 林氏は、岸田政権の賃上げは良かったが、物価上昇をコントロール出来なかったと指摘し、「とにかく物価上昇に飲み込まれて、生活が厳しくなったというのが、多くの人の実感です」とコメントしました。 一方、金融に関しては、日銀総裁の人事も含め、アベノミクスの大規模緩和をどう軟着陸させるかに着手した点について「アベノミクスをどういう風に卒業していくかに相当腐心したところは評価したい」と言及。この部分は「今後の政権の重要な課題の1つだ」と林氏は語りました。 また、2024年6月には「定額減税」が実施されました。 水内氏が制度設計を作ったスタッフから聞いた話によると「結論があってその結論に導くための理屈を考えろ」という指示だったと言います。「今から振り返ると、正直に言うと意味がなかったな」と水内氏。 林氏は「岸田さんは、意外とキャッチフレーズ政治」と苦笑します。 岸田氏が「新しい資本主義」や「異次元の少子化対策」などとテーマを掲げたあとに、各省庁が中身を作っていくため、全体としてのバランスに欠け、予算が巨大になる部分があったと分析しました。