菜々緒、共演キャストとの関係はまるで“大学のゼミのよう” 今作のオファーに「“鷹野のように生きなさい”と言われている気がした」<無能の鷹>
菜々緒が主演を務めるドラマ「無能の鷹」(毎週金曜夜11:15-0:15※一部地域を除く、テレビ朝日系)が11月29日(金)の放送で最終回を迎える。 【写真】初回から凸凹コンビ具合を見せた菜々緒“鷹野”と塩野瑛久“鶸田” 同作は、女性コミック誌「Kiss」(講談社)での連載が完結したばかりのはんざき朝未による同名コミックを実写ドラマ化した、超・脱力系お仕事コメディ。テレビ朝日ドラマ初主演を務める菜々緒が、どこからどう見ても中堅エース級の風格を備えていて、超有能そうな見た目なのに実は衝撃的に無能な主人公・鷹野ツメ子を演じ、「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」(2021年/日本テレビ系)をはじめ、「監察医 朝顔」(2019年/フジテレビ系)、「正直不動産」(2022年/NHK)など、数々の人気ドラマを手掛ける根本ノンジが脚本を担当している。 このたび、WEBザテレビジョンでは最終回を前に菜々緒にインタビューを実施。自身に届いている反響や鷹野を演じたことでの変化、今後の展望と最終回の見どころを語ってもらった。 ■SNSでのリアルな反響に「認めてもらえた」「受け入れてもらえている」 ──初回放送から話題となっていましたが、反響についてどう感じられていましたか? TVerでの初回見逃し配信が金曜ナイトドラマ枠で歴代最速200万回再生数を突破したと聞き、初回からすでに注目していただいている作品なんだと実感させてもらいました。 人気コミックが原作なので、そこで期待していただいていた部分もあったと思いますし、実写化した作品を見た皆さんからのリアルな「良かった」という感想をSNSで拝見したときは「認めてもらえた」「すごく受け入れてもらえているんだな」と感じました。 ──具体的にはどういった声が印象に残っていますか? やはり私が今までにない役をやらせていただいたので、その点に関する反応が一番大きかったかなと思います。 あとは、原作を読んだ際に口コミをたくさん見たのですが「菜々緒さんで実写化してほしい」というコメントを見かけて、実際に第1話を見ていただいた後に「すごく新鮮だった」「こういった役もいいね!」といった感想をいただけたのがとてもうれしかったです。 物語の舞台となるTALONの皆さんの配役についてもすごくぴったりだという声も見ました。そこは本当に貴島プロデューサーのキャスティング力やプロデュース力が素晴らしかったのだと改めて感じています。 ■キャスト陣については「いい人オーディションがあったんじゃないか?」と話すほど ──今回参加して改めて感じた貴島Pチームの魅力はありますか? 「いい人オーディションがあったんじゃないか?」と。人柄の良さを重視してキャスティングしているのではと皆さん口々に言っていました(笑)。 憎めないキャラクターたちや、誰も悪者がいなかったり、否定はしても何だかんだ鷹野を見守って居場所を作ってあげたりというあたたかさと、キャストの皆さんのリアルな優しさ・愛情深さが通じているような気がして。そういったところを貴島Pは汲み取ってキャスティングしていたのではないかと思いました。 私は今回主演を務めさせていただきましたが、自分から「ごはん行こうよ」「飲みに行こうよ」とは言えないタイプ。どうやって主演として引っ張っていこうかな…と考えていたのですが、井浦(新)さんが率先して誘ってくださって、とてもうれしかったです。 高橋克実さんもそれをすごい喜んでくださっていて、クランクアップのときに「こんな現場、今までになかった!」と言ってくれるほど、とてもあたたかい現場でしたね。 ■「それぞれの良さをみんなが見つけて、引き上げて、突っ込んで笑いに変えていた」 ──撮影現場で印象に残っていることはありますか? やはり、撮影が終わった後もこんなに集まる!?というくらい集まってごはんに行っていたのはびっくりしましたし、本当に仲がいいなと。私は全部は行けなかったのですが、トータルで週1くらいは開催されていたのではないかと思います! クランクアップした今でも、「忘年会をしよう」という話にもなり、さすがに皆さん年末はお忙しいので流れるんじゃ…?と思っていたのですが、本当に実施が決定しているので…。同志のように仲良くさせていただいて、ただただ幸せな現場でした。 ──どなたか、現場のムードメーカーがいたのですか? 誰かを中心に個々に盛り上がっているというよりは、みんなでずっと和気あいあいとしていた気がします。それぞれの良さをみんなが見つけて、引き上げて、突っ込んで笑いに変えていました。いつも集まって、楽しくおしゃべりして、芝居は真面目にしっかりふざけてと、まるで大学のゼミのような雰囲気でした。 小さな喜びを分かち合える仲がすごくすてきだなと思いましたし、皆さんのいいところをまねさせてもらって次の現場にも生かしたいなと、いろいろ学ばせてもらっていました。 ──鷹野と鶸田は作中ずっとタッグを組んでいましたが、鶸田役の塩野さんの印象はいかがでしたか? 塩野さんはとても真面目で、穏やかな部分も持ち合わせている方ですね。 原作漫画があることで雰囲気やテンポ感をお互いが掴めていたのだと思いますが、「本当にこれが初共演かな?」と思うほど息ぴったりで、何も心配することがありませんでした。 SNSで反響を読ませていただく中で、「一条天皇と鶸田くんって同一人物だったの!?」「3話くらいまで気づかなかった」という声を見つけたのですが、本当にカメレオン俳優ですよね。 本人は、毎回役の印象が違いすぎて顔を覚えてもらえない…と悩んでいたようですが、それは役者冥利に尽きるというか、本当にすごい方なんだなと思いました。今後、違う役でご一緒できたら面白いだろうなと思っています。 ■鷹野は「思い入れのある役柄になりました」 ──これまでの菜々緒さんのイメージとはまた違う鷹野という人物を演じて、何か心境に変化はありましたか? このお話をいただいた頃が、仕事に対しても自分自身に対しても迷っていた時期だったんです。鷹野ツメ子というキャラクターを通して、突き抜けた彼女鷹野の人柄に勇気と元気をもらいましたし、「鷹野のように生きなさい」と言われているような気がしました。迷ったり苦しんだりした時期を乗り越えたからこそ、鷹野を演じる意味がとてもあると感じましたね。 漫画を通して感じたものと、鷹野を演じて感じたものが自分にとってのエッセンスになりましたし、見ている方に元気を与えたり考えるきっかけになったりする存在になれたことがとてもうれしく、思い入れのある役柄になりました。 ──鷹野のどんなところに共感しましたか? 自分自身を大切にしているところや、自分にうそがない言葉はすごく刺さりました。 皆さんからも、第1話の「自分が会社に必要とされているかは考えていない。自分が必要としているからこの会社にいる」というせりふが響いたという声をたくさんいただいています。 学校や会社、家庭などどうしても外側に目線が向きがちになりますが、彼女は自分がどうありたいかを常に考え行動しているところがすごいなと思います。 ──鷹野を演じたことを経て、今後、こんな役に挑戦したいという思いはありますか? 今回の「無能の鷹」でポンコツな役も出来るんだと、これまでよりも役の可能性が広がった気がしているので、次はイケメン2人に取り合われるヒロインの役をやってみたいですね(笑)。 ■「最終回も鷹野ワールド全開です」 ──いよいよ最終回を迎えますが、どんなところに注目してもらいたいですか? 最終回も急展開で、はじめから鷹野ワールド全開です。これまでも、彼女が何事も疑わずに真っ直ぐ受け取り、ただただ行動することで勝手に道が開けてくるという物語が繰り返されてきました。コメディーではありますが、深いメッセージを視聴者の皆さんに伝えられている作品ではないかと思っています。 鷹野の無能すぎる部分に救われている方もいると思いますが、そこだけではなく、“自分らしさ”や“人と比べないこと”など、基本的な人間としてのあり方をいつも見せてくれているような気がします。最終回でも、一つ一つの行動・言動の大切さを鷹野が教えてくれているので、そこに注目して最後まで楽しんでいただけたらうれしいです。