【毎日書評】「仕事が怖い」メンタルが追い詰められたとき不安を解き放つ2つのことば
仕事のことを考えるだけで憂うつ
「真剣」になることは大切、でも「深刻」にはならなくていい(30ページより) 仕事についてのあれこれを考えて憂うつになることは、誰にでもあるもの。その日のミスを帰宅後も引きずったり、やり残した仕事のことを思い出して気分が重くなってしまうケースもあるでしょう。 いいかえれば仕事とは、悩みや気がかりの宝庫だということ。その気になればいくらでも考えを巡らせることができるので、まじめな人ほど深刻に悩みを背負い込んでしまうわけです。しかし、それはメンタルが弱いからではなく、それだけ仕事について真剣に考えている証拠なのだと著者は主張しています。 「考えるだけで憂うつ……」。 そんな時、あなたの目には仕事しか見えていないはずです。 2つの丸をイメージしてみてください。 「人生という大きな丸」の中に「仕事という小さな丸」が含まれている状態。 それが本来の関係性です。(32ページより) つまり仕事の悩みから逃れられないとしたら、「仕事の丸」が大きくなりすぎているのかもしれないということ。だとしたら明らかに背負いすぎであり、気持ちが重くなって当然です。 もちろん、そういう瞬間があるのは決して悪いことではないでしょう。ときには、人生をはみ出すぐらい仕事に真剣勝負を挑むのも悪いことではないはず。とはいえ、そのような状態は一時的であったほうがよいということです。 仕事に対して「真剣」であることは大切。 だからといって、「深刻」になる必要はありません。 考えるだけで憂うつになってしまうような時は、「仕事の丸」が大きくなりすぎていないか振り返ってみてください。(33ページより) つまり、“気楽なほどよい真剣さ”を身につけるべきだということです。(30ページより)
やることが重なると焦ってしまう
意識を向ける仕事は、つねにひとつ(50ページより) メールを返したり、資料をつくったり、ちょっとしたトラブルを処理したり──。ひとつひとつは小さな仕事であってとしても、やることが重なってしまうと頭がいっぱいになってしまいがちです。 しかし、焦れば焦るほど落ち着いて考えられなくなり、冷静に対処することも難しくなるでしょう。そんなとき、テキパキと仕事を片づけている人を見ると、「それにくらべて自分は……」と、うまくこなせない自分を責めてしまうかもしれません。 けれども実際のところ、やることが重なって気持ちが焦るのは誰でも同じ。ひとつひとつの仕事が小さいものだったとしても、それらを「ひとまとめ」で見てしまうと、“太刀打ちできない、巨大なもの”のように感じてしまうだけなのです。 大切なのは、「1つの仕事」に集中できるように、「それ以外」を視界から隠してあげること。 たとえば、ふせんに仕事を書いているなら、1枚ずつ横に並べるのではなく、縦に重ねて管理するとよいでしょう。 そうすることで、つねに1枚目の仕事だけ目に入り、集中しやすくなります。 2枚目以降を気にする必要はありません。 終わったら「ハイ次」と、順番に対処するようにしてください。(52~53ページより) どれだけやるべきことがたくさんあったとしても、いま、この瞬間にできる仕事はたったひとつだけ。だからこそ、ひとつひとつ確実に片づけていくことこそが重要で、結果的にはそれが最速だったりもするわけです。 目の前の仕事に集中するための工夫をすれば、「あれもこれも」と焦ってしまうこともなくなるはず。そのぶんやるべき仕事に集中しやすくなるのですから、目の前の仕事以外を隠しておくことは有効な手段なのかもしれません。(50ページより) 仕事中に「しんどい」と感じる場面が紹介しながら、自分の「弱メンタル」とうまくつきあっていくための具体的な方法や考え方が紹介されている一冊。気になったところから読むこともできるので、自分のなかにある「しんどい」を軽くするために活用してみてはいかがでしょうか。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! Source: 明日香出版
印南敦史