ロシア軍、ウクライナ東部ハリコフ州で前進 新たに4集落を制圧
ロシア軍が新たに攻勢をかけたウクライナ東部ハリコフ州で、露国防省は12日、新たに国境付近の4集落を制圧したと発表した。露軍はこれで同州内の9集落を支配下に置いた。ロイター通信などが報じた。ウクライナ軍のシルスキー総司令官は同日、ハリコフ州の戦況は「悪化している」と述べた。州知事によると、国境周辺から約6000人の住民が避難したという。 【写真特集】戦場カメラマン渡部陽一さんが見たウクライナ ロシア軍は10日にハリコフ州への進軍を開始し、11日にかけて複数の集落を掌握していた。シルスキー氏は「ウクライナ軍は防衛線を守るために全てのことをしている」と強調した。ウクライナメディアによると、ウクライナ国防省情報総局の報道官は、ロシア軍はハリコフ州への攻勢のために首都モスクワや北西部サンクトペテルブルクの軍管区から兵士を動員したと分析した。 一方、ウクライナ国境に接するロシア南部ベルゴロド州で12日、ウクライナ軍の攻撃で10階建ての集合住宅の一部が倒壊した。タス通信などが報じた。露非常事態省は13日、住宅の倒壊により、少なくとも15人が死亡したと発表した。がれきの下に人が埋まっている可能性があるという。 露国防省は、ウクライナ軍が短距離弾道ミサイルなどでベルゴロド州を攻撃したと主張。撃墜したが、ミサイルの破片が集合住宅に損傷を与えたという。攻撃について、ウクライナ側はコメントしていない。ベルゴロド州では12日にウクライナ軍によるとみられる別の攻撃もあり、同州知事は4人が死亡したと明らかにした。【ベルリン五十嵐朋子】