ソフトバンク東浜 来季こそ復活必ず「覚悟を決めて臨む」和田氏引退で決意
恩人のためにも来季こそ復活する――。ソフトバンクの東浜巨投手(34)が6日、みずほペイペイドームで取材に応じ、来季に懸ける強い思いを語った。今季は7月途中からファームで再調整するなど、3勝に終わった。3年契約の最終年となる来季はプロ野球人生の岐路となる重要な年になる。前日には尊敬する和田毅投手(43)が今季限りでの現役引退を発表。投手陣で最年長となる右腕は強い自覚を胸に新シーズンへ向かう。 和田氏の引退発表から一夜明け、東浜には新たな決意と責任が芽生えていた。 「和田さんの引退を受けて、より自分が現実的に見えてきた。来年が崖っ縁のシーズンとなる。今後、自分の野球がどうなるかの分かれ道。そういった意味で覚悟を決めて臨むシーズンです」 背番号「21」の背中をずっと見てきた。和田氏がメジャー挑戦からソフトバンクに復帰した16年、当時4年目だった東浜は先発を中心に23試合に登板して9勝を挙げ、先輩左腕は15勝で2度目の最多勝のタイトルを獲得した。「練習に取り組む姿勢、試合の入り方、考え方の全部が参考になった。僕も1週間の過ごし方が安定してきた。そういう意味で恩人でもある」。間近で見て、聞いて、学んだ成果は翌年の17年に花開いた。キャリアハイの16勝を挙げて最多勝のタイトルを初めて獲得した。 しかし、それ以降は22年の10勝が最多で満足いく結果を出せていない。今季は11試合登板で3勝2敗。7月以降は2軍再調整を命じられ、シーズン最終盤に1軍に復帰するも結果を出せず、ポストシーズンの出番はなかった。「数カ月はもんもんとした日々を過ごしています」。和田氏がいなくなる来季は3年契約の最終年。感謝の思いを完全復活で示す。 和田氏とは食事に行くなどプライベートでも世話になった。5日の引退会見に駆けつけて花束を渡した。「プロ意識が高い方だった。長年やってきた凄さを感じる」。来季は東浜ら90年度生まれが投手陣で最も上の世代となる。「和田さんが引退されて僕の年齢(34)が最年長。しっかりチームを支えていきたい」。次は自分たちが引っ張る番だと感じている。さらには「もちろんやりたいです」と43歳まで投げ続けた和田氏のように息の長い選手を目指す。 来季に向けて既に始動し、きょう7日にも上京して動作解析を行う予定。「最低限というか大前提」と年間通して先発ローテーションを守る責任があると考えている。「いろんなところに行ってトレーニングを積んでいきたいし、やったことがない新たな取り組みにもチャレンジして、自分を変えていかないと」。和田氏も探究心が旺盛だった。大先輩を道しるべに復活の道を進む。 (井上 満夫) 《尾形 守護神の座奪取へ意欲》尾形がみずほペイペイドームで体力回復を狙いとしたウエートトレーニングを行った。7年目で初出場だった日本シリーズでは4試合に中継ぎ登板。しびれる場面を経験し、来季は勝ちパターンの継投に定着したいという思いを強くした。「また日本シリーズに戻るために、世界レベルにならないといけない。出てくるだけで相手打者が絶望する投手になる。オスナと競って、あの席を獲りたい」と守護神の座を奪取すると意気込んでいた。