ブランド品自慢の代わりに涙ぐましい努力…韓国MZ世代に「節約チャレンジ」が流行(2)
オンラインコミュニティで「節約チャレンジ」のハッシュタグを検索すると関連投稿が数千件も引っかかる。1カ月の家計簿や日誌を投稿し、決まった現金だけで生活する参加者を募集する形だ。関連オープンチャットルームを見ると毎日午後8時~12時に参加者が1日の消費内訳を上げて節約や財テクの役立ち情報をシェアしていた。「急な飲み会の約束は控えるべき」「オリーブヤングで(化粧品)買わずに出てきたとはよくやった」などのアドバイスと激励が飛び交っている。 MZ世代の節約は過去の世代とは違い、積極的な投資を並行するケースが多い。単純に節約したお金を貯めるばかりでは財産を増やしにくいという判断からだ。1カ月に40万ウォンずつ株式投資するという会社員のキム・ヒョンウさん(31)は「現金の価値がますます落ちる状況で預金や積立だけするのはお金を遊ばせているだけと考える。ようやく貯めたお金でもある程度のリスクを甘受して投資する」と話す。勤勉で模範的に暮らす様子を紹介する配信で15万人の登録者を集めたユーチューバー「OWNOS」は自分のチャンネルで「いまは消費しなければならない理由を見つけられないほど節約があまりにも簡単になった。ただ銀行利子に期待するより株式投資を通じて目標資産にはるかに速く到達した」と明らかにした。 厳しい経済状況で消費を減らすものの投資に関心を持つ流れは統計にも現れている。消費動向を示す統計庁の小売り販売額指数を見ると、7-9月期の指数は100.7(2020年=100)で前年同期比1.9%下落した。2022年4-6月期から10四半期連続の下落で、1995年1-3月期以降で最長期間の下落傾向だ。コロナ禍の際に急増した流動性が消えると支出を減らし始めたことを意味する数値とみられる。これに対しMZ世代の投資の意志は強い。韓国預託決済院によると、2019年基準で20代の投資は6.2%、30代の投資は17.5%だったが、昨年末には20代が11.0%、30代が19.4%に増加した。投資を悲観的な経済状況の突破口に選び、これに向けた資金調達の目的が節約チャレンジの背景ということだ。 節約したお金で投資し、これを多くの人に伝える若年層の消費現象に対し専門家らは、成就を認められたいと思う心理とつながっているとみた。檀国(タングク)大学心理学科のイム・ミョンホ教授は「自身が苦労する状況を恥ずかしく思うのではなく、むしろSNSを通じて一緒に克服できる仲間を探す。ぜいたく品を見せびらかす『フレックス』とは違って見えるが、率直な自分の姿を見せて共感を得ることでこれを克服し成就感を見せるという側面で目標は同じだ」と話す。誠信(ソンシン)女子大学消費者生活文化産業学科のホ・ギョンオク教授は「多くの人に資産計画を公開すれば必ず成し遂げなくてはならないというモチベーションが生じる。就職難や経済難など厳しい状況の中で一種の成就感を達成できる代案として出てきたもの」と説明した。