F1分析|フェルスタッペンがレッドブルを離れたら……獲得競争に勝つのはメルセデスじゃなくてアストンマーティン?
メルセデスがフェルスタッペン獲得に動く? でも課題もアリ
ハミルトンがメルセデスを離れ、フェラーリと契約したのはまさにそれだ。そうすることで、ハミルトンはフェルスタッペンから見てひとつのドアを閉じたが、別のドアを開けたのだ。 ハミルトンがメルセデスを去ることで、フェルスタッペンにとってメルセデスへの移籍は明らかな選択肢となった。トト・ウルフ代表は2014年にフェルスタッペンを獲得しようと懸命に努力した。しかし、2015年のF1デビューという条件を即座に提示することはできなかった。レッドブルなら可能であり、フェルスタッペンはその方向に進んだ。 それから10年、フェルスタッペンがついにメルセデスに移籍する時が来たようだ。長い間、圧倒的な強さを誇ってきたチームであり、今は苦戦しているものの2026年から強力なパッケージを整えるだろうと期待されるチームに移籍するという理屈は通っている。 しかし、ウルフ代表は問題を抱えている。2025年末までの契約になっているとはいえ、ポスト・ハミルトンとして長い間チームの将来を担ってきたジョージ・ラッセルがいる。そして育成ドライバーのアンドレア・キミ・アントネッリがジュニアカテゴリーからの卒業を待っているのだ。 ウルフ代表は、アントネッリが2025年にメルセデスのレースシートに座る可能性があることを明言しているのだ。彼のF2シーズン序盤は難しいスタートとなったが、まだここから上昇気流に乗る可能性はあるだろう。 チームはまた、アントネッリが8月に18歳になった後、広範なプライベートF1テストプログラムを計画している。 オリバー・ベアマンがサウジアラビアGPでカルロス・サインツJr.の代役として、鮮烈なF1デビューを飾ったのはこれ以上ないタイミングだった。 アントネッリにとって、ベアマンはF2でチームメイトであり、完璧な指標となるだろう。そして10代の若手ドライバーがトップチームのマシンに乗り込んでもパフォーマンスを発揮できることを世界に示したのだ。 アントネッリが2025年にメルセデスからF1デビューを果たした場合、メルセデスが新レギュレーション下で再びトップチームに返り咲くまでの1年を、学習のための1年に使うことができる。 ラッセルとアントネッリのコンビが印象的なラインアップになることを考えれば、ウルフ代表がフェルスタッペンの獲得にジレンマを持っていることは間違いないだろう。もちろんフェルスタッペンが過去数シーズンで最も成功し、違いを生み出すことができるドライバーであることは間違いなく、どのチームも喉から手が出るほど彼を欲しがっているだろうが、どうやってチームにフィットさせるかが問題だ。 アントネッリを数年ウイリアムズに預けるというのも手だ。現チーム代表のジェームス・ボウルズはメルセデス時代に若手育成に携わってきたが、ウイリアムズのシートは保証できないとしている。 彼もウイリアムズの育成ドライバーを育てなければならないし、チームとオーナーの長期的な利益も考慮しなければならない立場なのだ。