優待名人・桐谷さんが、モノ言う株主に経営刷新を迫られたダイドーリミテッドの株主総会に潜入! 11期連続で赤字だった業績は今期の予想通りに黒転するのか?
【株主総会】”モノ言う株主“による経営刷新の提案が注目されていたダイドーリミテッド(3205)の株主総会を、株主優待名人・桐谷広人さんがレポート! ●ダイドーリミテッドの株主総会に桐谷さんが潜入! 11期連続で営業赤字のダメ経営に、モノ言う株主が改善を要求! 株主優待株や高配当株を中心に、大量の日本株を保有する株主優待名人の桐谷広人さん。毎年6月は、多くの企業が株主総会を行うため、桐谷さんも忙しい。もちろん、保有する全企業の株主総会に参加することはできないので、毎年気になるところに絞って参加しているという。 今回、桐谷さんが選んだ企業の一つがダイドーリミテッド(3205)。理由は、株主総会に先立って、業績悪化が続いていることを知ったからだという。 「私はダイドーリミテッド株を1000株保有していて、『ニューヨーカー』などの自社ブランドの株主優待や配当もあったので、満足していたんです。でも、今年は株主総会の前に、”モノ言う株主“のストラテジックキャピタル(以下SC)から2度も速達が! 調べてみると、11期連続で営業赤字だそうで驚きました……」(桐谷さん) これを問題視したSCは「業績改善のために経営刷新が必要」と主張して、ダイドーリミテッドに対し、独自の取締役候補6人を提案。これに会社側は反対し、また別の取締役候補を挙げたため、株主総会で決議されることになっていた。 株主総会に出席後、桐谷さんは次のように感想を語った。 「モノ言う株主にはハゲタカのイメージがあり、最初は会社側の提案に賛成しようと思っていました。でも、総会で話を聞くうちにSC側の主張は正しいなと。結局、SC側が提案する候補に投票しました」(桐谷さん) 結果、会社側候補の6人中5人に加え、SC提案の3人も選任されることに。 「株主総会では『こういうふうにこじれる前に、筆頭株主ときちんと対話を重ねるべきだった』という株主の意見も出ましてね。本当にその通りで、事業立て直しを期待したいです」(桐谷さん) なお、株主総会から1週間後の7月4日、ダイドーリミテッドは大株主からの働きかけにより、前期比50倍もの大幅増配と自社株買いを発表した。 「赤字企業にこの大幅増配はやりすぎで、やっぱりハゲタカなんじゃないか、と少し感じています……」(桐谷さん) この発表の翌日に、株価は前日比16%も上昇。本業の立て直しが本当に進むのか、注視しておきたいところだ。 また、ダイドーリミテッドの業績について、経済ジャーナリストの和島英樹さんは次のように分析する。 「今期の営業損益は1億円の黒字(前期は4.4億円の赤字)で、しかも下期からの回復予想。努力目標的な数字にも見えます。SCから役員が登用され、期待感があります。当面は、四半期ごとの業績をチェックしておくべきでしょう」(和島さん) なお、ストラテジックキャピタルはダイドーリミテッドが大幅な増配を発表した翌日の7月5日に、24%超も保有していた保有株をすべて売却していたことがわかっている。
ザイ・オンライン編集部
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