J1強豪から突如オファー「びっくり」 デビューわずか1年…J2なのに「見られているとは」【インタビュー】
「プロ選手になる」夢追う過程で大きかった兄の存在
2015年にプロデビューを飾り、そこからちょうど10年目を迎えた。いつしか自然と抱いた「プロサッカー選手になる」という夢を叶える過程で、5つ上の兄・雄斗の存在は大きかった。 「兄が中学生になるまで、小さい頃はずっと兄のうしろにくっついて行っていました。兄の試合を見に行って、試合中は端っこでボールを蹴ったり、兄のチームメイトの弟と一緒に遊んでいました。兄ができることは、自分もできるだろうっていう感じで、ずっとうしろを追いかけていましたね」 兄と1対1をしたり、人数がいる時はミニゲームもし、時には父と公園に行って3人でボールを蹴っていたという三竿は、「兄がいたから自分も意識高くやれていた。すごく良い背中を見せてくれた」と感謝し、漠然とした憧れを明確な目標に変えてくれた存在だったと語った。 「常に先を行ってくれていたので、兄が行くレベルが自分にも身近にあって自分もそこを通るのが当たり前というか、そうやって進んでいくものだって認識させられていました。兄がヴェルディのユースに入った時に、ちょうど僕もジュニアに入れさせてもらいましたが、ヴェルディっていうのは僕らからしたらもうトップ・オブ・トップでした。兄がそこに入ったことで自分も『行きたい。行けるかな』と思わせてくれましたし、プロになった時も『やっていればプロになれるんだ』、プロに入ってからも『十分やれるんだ』というのをお手本になって見せてくれていたので、そのおかげで意識高くやれていたかなと思います」 大学を経由した兄が湘南ベルマーレに加入してプロになった2年後、三竿も東京Vユースからトップチームへの昇格を果たしてプロサッカー選手になった。「やっと1つの目標を達成できた」という感慨がある一方で、「ここから海外移籍を含めてステップアップを視野に入れて、やっていこうという感じでした」と、プロになることは最初の第一歩であることも強く認識していたという。 「ヴェルディのジュニアに入った時から、プロになるのは通過点というか、トップでプレーして海外に行くことが、僕らの中では当たり前でした。それをいかに早く達成できるかを逆算して、練習だったり、自主練だったりをやる環境ができていたので、プロになれたことも、ちょっと嬉しかったですけど『別にそうだよな』っていう感じでした」 東京Vはスクール、ジュニア、ジュニアユース、ユース、トップチームのすべてが、同じ施設に入っており、時間を分けて練習を行っていた。下部組織の選手たちは、自分たちが使うロッカールームからトップチームの練習を見ることができたり、ユースの選手がトップチームの練習や試合に参加したりする環境がある。それが下部組織の選手たちにとっては、大きな刺激になっていた。