お値段以上の満足度!ケンドーコバヤシさんに聞く〝進化するビジネスホテル〟の歩き方
満足度を高めたいなら書を捨てフィーリングで動け
TV番組『ケンコバのほろ酔いビジホ泊 全国版』の効果か、近頃は用もないのにビジホに泊まり、ケンコバスタイルのビジホライフを楽しむ人が増えていると聞く。 「苦言を呈するわけではありませんが、いくら情報社会とはいえ、ビジホ情報や周辺ガイドを前もって調べすぎるのはどうかと思いますね。『お風呂が大きい』とか『おしゃれな休憩室がある』とかを知ったうえで宿泊して、その答え合わせをするのも楽しいかもしれないけれど、僕はサプライズを期待するほうなので、いつでも下調べは少なめです」 あえて何も決めずに出かけ、フィーリングで動くのが、驚きや発見があって一番楽しいという。 「予期せず、手足を伸ばしてのんびり入れる大浴場や、全身を揉みほぐす大型のマッサージチェアがあるとテンションは上がりますよね。余談ですが、僕はマッサージチェアが大好きなんですけど、家に置いても上着置き場にしかならへんし、まわりのみんなも買うのを止めるんです。だから〝ビジホに出かけて、座ろう〟が、モットーです(笑)」 さらに、ビジホのある地域そのものを知ることも大事にしている。 「朝食は滅多に食べませんけど、その地域ならではの地の物があると、自分で自分を叩き起こしてでも食べに行きますね。お米の産地で『炊きたてを食べていってください』なんて声をかけられると、食べずにはいられません。 もし街の雰囲気や客層を知りたければ、休憩室にあるマンガのラインアップを見ること。ちょっとハードボイルドな空気の流れる街のビジホには必ず『闇金ウシジマくん』が置かれていますから(笑)」 逆に、思ったような設備&サービスがなかったとしても決してめげることはない。どんなホテル、お店であっても受容する、広い心を持ってビジホ泊を楽しむことが大切だという。 「今やチェーンビジホには枕の種類まで選べるサービスがありますよね。でも地方の小さいビジホに行くと、『これ、おばあちゃんの家にあったせんべい布団や!』みたいな重い寝具で眠るエモいところも少なくありません。まあ、おばあちゃんのことを思い出しながら安らかに眠れることもあるんですけど(笑)。 僕はこんな昭和カルチャーを楽しめるビジホのことを〝ストロングスタイル〟って呼んでいます。例えばお風呂場に置かれた軽石を見てしまっても、部屋の窓を開けても隣の倉庫の壁しか見えなかったとしても『あー、失敗したー!』と叫ばず、それはそれで受容し、ちょいレトロな昭和イベントとして楽しめれば、一気に満足感は上がるものです。 仮に自分好みのビジホに当たる精度を高めるとしたらとにかく経験を重ねることしかなく、ショートカットはできないですね。運にも左右されるから、すべて経験なので、行き当たりばったりでいいんです。出会った人、モノ・コト、店をすべて受け入れて、今宵のビジホ泊を楽しみましょうよ」 後編では、ケンコバさんお気に入りビジホ3選を紹介していく。 取材・文/安藤政弘 撮影/タナカヨシトモ ※本記事内に掲載のサービスや料金は、2024年9月未時点のもので変更になる場合があります。
@DIME編集部