工期70%短縮…鹿島、「床版取替システム」を実工事に初導入して得た成果
鹿島は道路橋の床版取替工事に伴う交通規制期間を大幅に短縮できる「スマート床版更新(SDR)システム」を、車線を規制して行う実工事に初めて導入した。門型クレーン1台を用いて床版を取り替える標準工法では既設床版の撤去から新設床版の架設まで21日間を要していたのに対し、SDRシステムでは6日間と約70%短縮できた。 SDRシステムは、床版取替の4工程をそれぞれの専門班が各エリアで同時並行で行う施工法。今回「広島自動車道(特定更新等)伴高架橋(上り線)他1橋床版取替工事」の1期工事で追い越し車線側122・1メートルの床版取替に導入し、工事期間を短縮できる効果を確認した。 9月以降は2期工事として、走行車線の「幅員方向分割床版取替」を実施する。今後、さらに期間短縮に向けた改良を重ねていく。 高度経済成長期に整備された道路橋の多くは、車両の大型化などにより急速に劣化が進んでいる。道路橋の床版取替工事では交通規制の期間や範囲を最小限にする技術や、周辺施設への安全確保が求められている。