『おむすび』佐野勇斗の誠実さが際立つ「交際できません!」 結の恋の成就は少し先に
これまでのお礼も兼ねて翔也(佐野勇斗)にお弁当を作ることにした結(橋本環奈)。しかし、福西野球部の監督・中西(真砂京之介)が翔也を連れて突然家にやってきて、お弁当作りを止めてほしいと言われてしまう。2人の関係はここで終わってしまうのかと思いきや、『おむすび』(NHK総合)第32話では、改めて震災と向き合い、一歩踏み出した結が自分の思いを翔也に伝える。 【写真】結(橋本環奈)の告白に驚く翔也(佐野勇斗) その後、翔也からメールで家の前に呼び出された結。翔也は誠心誠意の謝罪とお弁当を作ってくれたことへの感謝を伝える。そのうえで、翔也は結が経験した震災について調べ、かつて「どうせ一生懸命やっても、意味ないけん。みんないつか消えてしまうけん」と打ち明けていた結の気持ちがほんの少し理解できたと明かす。過去に痛みを抱えた結が自分のために指を怪我しながらも一生懸命作ってくれたお弁当。翔也にとって結の頑張りが何よりも嬉しかった。「残さずに食うに決まってんべ」と伝える翔也のどこまでも真っ直ぐな瞳に筆者はドキドキしてしまったが、それは結も同じだった。「やばい、やばい、やばい……」と一目散にご飯を平らげ、自分の部屋に駆け込む結。翌日、学校でも結は「やばい」を連呼し続けていた。 後日、ハギャレンのメンバーは米田家に集まり、彼氏ができたスズリン(岡本夏美)の話題で盛り上がっていた。すると、リサポン(田村芽実)が結に好きな人がいると言い出すと、4人は結を問い詰める。もちろん、その好きな相手とは翔也のこと。 「うちは全然好きやないけん。いつも偉そうにおめぇとか言ってくるし、河童やし、イチゴアホほど持ってくるし、暑苦しいし、熱血野球バカだし……」と分かりやすく動揺する結。しかし、それだけ悪口が出てくるのであれば、それは好きということだ。結も自分の気持ちには気づいていたようだが、迷惑になるかもしれないと自分の気持ちに蓋をしていた。
ギャルの掟その2「自分が好きなことは貫け」を思い出す結(橋本環奈)
ギャルの掟その2「他人の目は気にしない。自分が好きなことは貫け」を思い出す結。4人の後押しもあり、結は自分の気持ちと向き合うことができた。まさかここでギャルマインドが役に立とうとは。誰もが自分の好きなことをやりたいと思って生きているが、それを実践できている人は多くはない。シンプルな言葉だが、ギャルの掟は人生にも通ずるところがある。 ルーリー(みりちゃむ)の一言で、結は翔也を呼び出して告白することに。すんなり付き合いましょうという展開になるとは思っていなかったが、自分の気持ちを伝えようとする結に翔也は「交際できません!」とキッパリ断る。 呆れて帰ろうとした結を制止して、翔也は「今、おめぇにその言葉を言われちったら、今、俺がその言葉を言ったら絶対に気持ちが揺らぐ。……んだから、俺が甲子園に行ったら、米田結が好きだって告白する!」と思いを伝えた。当初、結は翔也の言葉にピンときていなかったようだが、これは翔也なりの結への気持ちだ。 本作の中でも翔也はすごく誠実な男。できるのであれば、恋愛と野球を両立するのが理想的な形ではあるが、誰もが器用に両立できるわけではない。どちらにも中途半端に向き合うのではなく、まずは野球に真剣に打ち込む。結は知らず知らずのうちに、そんな翔也の真っ直ぐなところに惹かれたのかもしれない。
川崎龍也